ときに人を驚かせる大胆な行動をしたかと思うと、一方でこまやかな気配りも忘れない。稼ぐ人の行動を観察していると、このような二面性を持っていることに気づかされます。ロマンチストも多いようです。自分の中に高い理想があり、その実現のためなら苦労もいといません。ときにはみんなが恥ずかしがってやらないようなことも平気でやるので、まわりはびっくりします。
いい意味で、わがままともいえます。成功する人は社会に貢献したいという使命感が強く、仕事の質に対しても人一倍強いこだわりがあります。いい仕事をすることに対するこだわりが、まわりからはわがままに見えることもある。ただ、わがままであることと、自己中心的であることは違います。英語でいえば、エゴイストかセルフィッシュかの違いといってもいいでしょう。
社会貢献の意識がなく自分に都合のいいようにふるまうのは、たんなる自己チューです。それに対し、高い使命感や自分なりの哲学を持ち、みんなの役に立つものを生み出すために必要なこだわりを貫く人がエゴイストです。こだわるところには徹底的にこだわって、貫けばいい。
成功する人はこうした頑固さを見せたかと思うと、それ以外のところはこだわりが少なく、むしろ周囲にうまく合わせていく柔軟さを兼ね備えています。たとえば自分が知らないことについては真摯に話を聞いて、素直に吸収しようとします。自分の中で譲れる部分とそうでない部分が明確に区別できているので、人に対して素直になれるのです。
柔軟なところは極端なくらいに柔軟なので、いままでとまったく違うことを、それもいきなり始めて、まわりを驚かせることもあります。しかし、根本的なところでブレがないので人に好かれますし、人と一緒にお金もついてくる。
その逆が、確固たる自分の軸がなく、「あれが儲かりそう」「いや、こっちがいい」とあちこちに手を出す人です。このような人のまわりには、お金目当ての人しか集まってきません。その結果、お金の切れ目が縁の切れ目になります。一生を通してお金に好かれるのはどちらの人なのか、いうまでもないでしょう。