仕事においても人生においても、自分が指揮官であり、お金と時間をコントロールできている。何より、お金そのものではなく、仕事を追いかけている。それが1桁上の額を稼ぐ人たちの特徴。彼らのところに、お金が集まるのは、自然の理法があるからという。安岡正篤、松下幸之助、稲盛和夫らにも共通する法則を、8つの項目に集約した。いずれもが、ビジネスパーソンが今日から胸に留め、実践できる考え方と習慣だ。

体はすべての根本です。体調が悪ければ精神状態も悪くなるし、精神状態がよくないといい決断ができず、仕事で望ましい結果が残せません。いうまでもなく、集中力を発揮することもできない。いい仕事をしようと心がけている人は、必然的に体調管理に気を配るようになります。

成功している人は、日々の暮らしに気を使い、体調管理のための環境を整えているのも特徴です。ほんとうのお金持ちには一見質素な生活をしている人が多いのですが、それでも健康的な生活のためにはきちんとお金を使っているものです。

また、大成している経営者の中にはまれに、40代や50代の節目でお酒を断つ人がいます。これも体調管理の大切さを知っているからといえます。

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食べるものに気をつかい、朝の時間帯を活用

お酒についてはもちろん、百薬の長という考え方もありますが、それで二日酔いをしているうちは、大きく稼ぐ人にはなれません。とくにサラリーマンの場合は、休んでも組織がカバーしてくれるため、「自分がいなくても」という甘えた感覚になりやすい。これは責任感の不足や、仕事で存在感を発揮できていないことのあらわれともいえます。

健康に無頓着な人には2つのタイプがあります。1つは自分の使命をすでに成し遂げて、いつ死んでもいいと思っているタイプ。もう1つは、自分がいなくなっても誰も困らないと自分の存在意義を軽視しているタイプです。体調管理の苦手な人は、仕事でいい結果を残せず、ますます存在感を失うことになります。

体調管理では、体や頭をリフレッシュする時間をつくることも大切です。ただし、仕事が終わって会社を1歩出たら仕事のことは一切忘れるというのは極端です。稼ぐ人はもともとライフとワークに明確な線引きをしていません。

冒頭で紹介した藤本幸邦先生は人生を串団子にたとえて、「自分」「家族」「会社」「社会や国」という4つの団子を貫く生き方をしなさいと説いていました。成功する人というのは、この串団子の考え方を誰に教わったわけでもなく、自然に身につけています。仕事や家庭生活が人生の大きな目的の中に位置づけられているので、「ここまでは仕事、ここから先はプライベート」と区別することにこだわっていないのです。

調査概要/gooリサーチとプレジデント編集部の共同調査により、「仕事とお金」に関するアンケートを2012年2月1~5日の期間で実施。個人年収1500万円以上で349サンプル、年収500万円で350サンプルの有効回答を得た。
(構成=村上 敬)
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