2013年7月6日(土)

見栄を張らず、身の丈の生活をしている -「金持ち運」をつかむ黄金法則【5】

PRESIDENT 2012年4月2日号

著者
小宮 一慶 こみや・かずよし
小宮コンサルタンツ代表

小宮 一慶

1957年、大阪府生まれ。81年、京都大学法学部卒業後、東京銀行入行。86年、アメリカのダートマス大学経営大学院でMBA取得。帰国後、経営戦略情報システム、M&A業務に携わったのち、岡本アソシエイツ取締役に就任。国際コンサルティングを手がける。93年、カンボジアPKOに国際選挙監視員として参加。94年より、日本福祉サービス(現セントケア)にて、在宅介護問題に取り組む。96年、小宮コンサルタンツを設立。コンサルタント、非常勤取締役、監査役として企業経営の助言を行うほか、講演、著書を通じてビジネスマンに必要な基本スキルについて、わかりやすい言葉で指南している。明治大学大学院会計専門職研究科特任教授。近著に『ビジネスマンのための「発見力」養成講座』(ディスカヴァー21)、『ビジネスマンのための「読書力」養成講座』(ディスカヴァー21)、『「1秒!」で財務諸表を読む方法』(東洋経済新報社)、『お金を知る技術 殖やす技術』(朝日新書)などがある。

執筆記事一覧

小宮コンサルタンツ代表 小宮一慶 構成=村上 敬
仕事においても人生においても、自分が指揮官であり、お金と時間をコントロールできている。何より、お金そのものではなく、仕事を追いかけている。それが1桁上の額を稼ぐ人たちの特徴。彼らのところに、お金が集まるのは、自然の理法があるからという。安岡正篤、松下幸之助、稲盛和夫らにも共通する法則を、8つの項目に集約した。いずれもが、ビジネスパーソンが今日から胸に留め、実践できる考え方と習慣だ。

お金持ちは意外なほど質素な生活をしています。バフェットが昔買った郊外の家に住み、古いフォルクスワーゲンに乗り続けているのは有名な話ですが、私の知っている経営者にも似たような暮らしをしている人が少なくありません。彼らはお金がもったいなくてそうしているわけでなく、高級品を買ってステータスを競うことに最初から興味がないのです。

中国の古典『書経』には、「人をもてあそべば徳を喪う、物をもてあそべば志を喪う」という1節があります。人を自分の金儲けの道具のように扱ってもてあそべば徳を失い、ものに執着していると、大切な志まで忘れてしまうという意味です。たしかにその通りで、最初は立派なことを言っていたのに、見栄を張って高級品を買い漁るうちに、志望動機を失う人がいます。志をなくせば、そのうちお金にも見放されてしまう。

ならば無駄遣いせず貯めこめばいいのかというと、そんなことはありません。お金を使わないと経済が回らず、社会や文化が発展しません。稼いだら稼いだなりに、自分や家族、そして世の中の役に立つものに使っていく。それが身の丈に合ったお金の使い方です。

身の丈ですから、稼ぎが増えればそれなりにいいものにお金を使う機会も増えるでしょう。仕立てのいいスーツに身を包んでホテルにいくと、いい待遇で迎えてくれるかもしれません。しかし、そこで自分が偉くなったと勘違いする人は、スーツを脱いだときに勝負できなくなります。ものの価値と自分の価値には何の関係もないことを肝に銘じるべきです。

お金は魔物です。普通の生活をするのに十分なくらい稼いでいても、放っておけばもっとお金が欲しくなります。そうやってお金に追われる人生はさびしい。できれば、世の中のためにお金を使う側に回りたいものです。

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