このところ淡路島、三宅島、宮城県と、あちこちで震度5や6クラスの地震が頻発している。そして、それに伴う被害も少なくない。こうしたリスクの回避も含めた「国土強靭化計画」を進めるための公共事業費は、2013年度当初予算で4年ぶりに増額に転じ、5兆2853億円(対前年度比15.6%増)が盛り込まれた。

そのなかで重点項目とされるのが、防災・減災対策をはじめとする国民生活の安全・安心を確保する事業である。とりわけ、人口の集中する都市部において災害に強いまちづくりを推進することは急務だ。東日本大震災の教訓を踏まえて、密集市街地の整備改善、公共施設の耐震化、地盤の液状化対策が実施される。

図を拡大
建設後50年以上経過したインフラの場合

この動きについて、国土交通省都市局の栗田泰正広域防災専門官は「計画の推進に際しては“人のためのコンクリート”というコンセプトが大事になってくる。いまのところ、個別計画の優先順位は付けにくいが、官民一体となって、国土の防災性・安全性を高めていく必要がある。そして、そうすることで国際的な日本の都市の競争力も上がっていく」と話す。

さらに、長期的視点で取り組まなければいけないのが、高度経済成長時代に集中整備されたインフラの老朽化対策だ。同省によれば、2030年代には、建設後50年以上を経過する道路橋や水門などが半数を超えるという。これらの維持管理・更新に要する費用の総額は11~60年度までの50年間で約190兆円と試算されており、順次対応しなければならない。