年間目標の前に人生の目標を決める

続いてやるべきは、タームごとに落とし込んだ小ファンクションの進捗状況を定期的にチェックすることです。たとえば「毎週土曜」「毎月30日」はチェックの日と決めて、こまめに計画と現状とのギャップを確認し、翌日から改善するのです。

絶対に避けねばならないのは、「40日間の夏休み計画の達成度チェックを8月31日にする」というような行動です。実践すべきは、40日間を10日ごとのタームに分割し、それぞれの役割をはっきりさせること。そしてタームが1回終わるごとにその都度、進捗状況をチェックするということなのです。

現在は、パソコンやスマホにアラート機能のあるアプリがあります。手段は何でもかまいませんが、必ずチェックできるような仕組みをつくりましょう。

どうも前述したような具体的な目標が立てにくいという人もいると思います。そんなときはもう少し長いタームで自分がどんな人生を歩みたいのか考えてみてください。

それがわかれば、そこから逆算して年間目標が立てられ、さらにそれを四半期や1カ月、1週間、1日と細分化することが可能になるのです。

以前、勤務していた会社で新入社員に「何のために入社したか?」と聞きました。ほとんどの新人が「世のため、人のために」といったはっきりしない回答だったのですが、1人だけ「高級スポーツカーに乗るため」という回答がありました。思わず笑ってしまいましたが、それが、当時の彼の人生の大目標なら大いにけっこうです。

「その目標を絶対に達成しなさい。そのために1日、1週間、1カ月をまじめに働き、業績をあげ、稼いで節約に励みなさい。ファンクションを変えるなよ」

彼に送った助言は、読者の皆さんへの言葉でもあります。

ファンクショナル・アプローチ研究所 代表取締役 横田尚哉

経営コンサルタント。総額1兆円の事業改善に乗り出し、コスト縮減総額2000億円達成。著書に『ビジネススキル・イノベーション』など。
(構成=プレジデント編集部)
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