自分の欠点がなぜか克服できていく

掃除が習慣化されると、頭の中がすっきり整理されるというメリットもあります。部屋や机の上の状態はその人の思考と同じ。部屋が混乱していると、頭の中も混乱して、仕事にも支障を来します。実際、片付けをしたら頭の中が整理され、「仕事の段取りがうまくできるようになった」「売り上げや業績が上がった」という人がたくさんいます。プライベートでも、必要なものと無駄なものの区別ができるようになり、「無駄遣いが減った」という方もいます。公私ともに、生産性や効率性が上がるわけです。

そしてもう1つ、これは冒頭の持論にもつながることですが、掃除をする習慣を手に入れることで、「掃除ができない」ことに関連するそれまでの自分の欠点も克服することができるのです。

私は掃除ができない人によく、「できない理由は何だと思いますか?」と質問するのですが、みなさん「面倒なことはつい先延ばししてしまうクセがある」「わかっているけどできないルーズな性格だから」と様々な理由を口にします。

掃除ができない人というのは、掃除だけでなく、そうしたちょっとした性格の欠点がボトルネックとなって、他のよい習慣も手に入れられず、活躍できるチャンスを逃しているのです。

掃除ができるようになるということは、そのボトルネックがスーっとはずれて、これまでやろうと思っていてもできなかったいろいろなことが、1度にできるようになることなのです。掃除の習慣が、成功する習慣づくりのきっかけになるわけです。

掃除といっても、「整理」「整頓」「清掃」「清潔」の4つがあります。それぞれの違いはわかりますか?

「整理」は、不要なものを捨てること、「整頓」はものを使いやすい場所に収納すること、「清掃」はモップや掃除機でほこりを取り除くこと、「清潔」は家具や床をピカピカに磨き上げることです。