クルマを日常の足代わりに、低価格で!

登録した会員の間でクルマを共同利用する「カーシェアリング」。1980年代にヨーロッパ・スイスで始まったサービスと言われていて、その後はアメリカで普及し、日本でも90年代後半から試験的に導入がスタート。現在では、多くの事業者が参入を果たしている。

クルマを借りるという点ではレンタカーに似たサービスだが、カーシェアリングが異なるのは、ごく短時間の利用を想定していること。多くのレンタカーの最短利用時間単位が6時間~なのに対して、カーシェアリングは15分単位~など、日常のちょっとした足代わりに、低価格で使えることがほとんどだ。

「たとえば、空港の送迎やちょっとした買い物など、クルマは必要ですがレンタカーを借りるまでもない、といった時に利用される方が多いですね。利用料金も、半日を超えない程度であればカーシェアリングのほうが安くなるケースがほとんどです」

こう話すのは、カーシェアリングサービス「タイムズプラス」を展開するタイムズ24の企画推進本部タイムズプラス推進部・亀田真隆氏。同社では2009年にカーシェアリングサービスを始め、いまでは26都道府県、3600カ所の拠点を構えるほどに規模を拡大。会員数17.6万人、車両数5200台を誇る、国内最大規模のカーシェアリング事業者だ(2013年2月末時点)。

カーシェアリングの最大のメリットは、コストがコントロールできること。マイカー感覚で使えながらも利用した分しかお金はかからないので、クルマに乗る機会が少ないのなら所有するより経済的だ。クルマ所有と1カ月の費用を比較しても(週2回程度の利用)、所有の場合は車両購入代や車検・保険・税金、駐車場代、ガソリン代などで5万6000円かかるが、「タイムズプラス」のカーシェアリングだと、月額基本料金や時間利用料金など1万6700円で済む(※)。実際、入会者の約78%は「ムダがない」という理由でカーシェアリングのサービスを選んでいるという。

「当社の場合、入会時にカード発行代金1500円をいただき、個人のお客様なら月額基本料金は1000円(無料利用1000円分含む)。利用料金は15分200円(ベーシック)、もしくは400円(プレミアム)、6時間や12時間、あるいはナイトパックといったパックメニューも用意していますので、さまざまなシーンでご利用いただけます」(亀田氏)

同社のアンケート調査によると、約47%の会員が「行動範囲が広がった」、約28%が「外出頻度が増えた」と答えている。「タイムズプラス」の場合、24時間利用でき、予約の3分後から利用が可能という利便性の高さも、ユーザーメリットを後押ししているのだろう。

それでは具体的に、どういったシーンでカーシェアリングは、その強みを発揮できるのか。次回は、便利な使い方について触れてみたい。

※クルマ所有の料金は、約120万円のクルマを5年間保有し、年間5000㎞走行した場合の1カ月当たりの目安。カーシェアリングは「タイムズプラス」の利用料金をもとに、30分(400円)×6回、6時間(3900円)×2回、12時間(6500円)×1回、無料利用分1000円として算出。(タイムズ24調べ)

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