アベノミクス効果で盛り上がる為替相場

昨年末の衆院選~政権交代を境にして、為替相場が熱い。自民党の安倍総裁は選挙を前に、日銀法改正も視野に入れた大胆な金融緩和策を提言。今後10年で公共事業に200兆円を費やす、「国土強靭化計画」についても言及した。こういった政策に、金融市場は敏感に反応を示し、日経平均は瞬く間に1万円台を回復、為替市場においても米ドル/円は94円台、ユーロ/円も124円台と、それまでの円高トレンドから反転を示している。

そして、このような状況下、高く注目されている金融商品がある。それが、外貨投資の一種である「FX(外国為替証拠金取引)」だ。米ドル/円など、異なる2国間の通貨を売買することで為替差益を狙ったり、高金利通貨を保有することでスワップ金利を得られたりする(支払うケースもある)のが特徴で、最大25倍のレバレッジがかけられることから資金効率も高く、少ない資金で始められる投資として人気を集めてきた。

さらに近年、FX各社が力を入れ、とくにビジネスマンを中心に支持を得ているサービスが「システムトレード(シストレ)」だ。FXでは、投資家自身が相場をウォッチして売買判断を下す「裁量トレード」が一般的だが、シストレでは、売買ルールが定められたプログラム=「売買システム」を使い、自動的に取引を行う。いうなれば、売買システムがトレーダーの頭脳に取って代わり、取引してくれるというわけだ。

「シストレが便利なのは、売買システムをプラットフォームにセットして運用を始めると、24時間相場を監視して、チャンスが訪れると取引に入り、さらに利益確定はおろか損切りまでしてくれること。日中や深夜は取引できないサラリーマンにとって、心強い存在になってくれることが、人気を後押ししています」(メディック投資顧問取締役・FXアドバイザー横尾寧子氏)

2012年は特にシストレが普及した1年。それは、相場状況とも無関係ではない。横尾氏は次のように指摘する。

「12月までは、欧米景気に左右された、不透明で値動きも鈍い相場でした。多くのトレーダーは売買判断に悩まされたのではないでしょうか。そういった時、チャートの動きから迷わず機械的に取引してくれるシストレは、とても便利に映ったはず」

売買システムを開発しているのは、為替相場に明るい専門のベンダー。なかには、著名なアナリストの理論を再現したものもあるようだ。裁量トレードなら投資家自身が相場について学ぶ必要があったが、シストレだと手軽にプロの手法がトレースできる。そんな利便性が受けて、シストレは急速に市民権を得たというわけだ。確かに多忙なビジネスマンにとって、これほどラクに稼げるツールはない。