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日本は統計学後進国?

2009年に米グーグル・チーフエコノミストのハル・ヴァリアン氏が「今後10年で魅力的な職業は統計分析になるだろう」と語ったことで、脚光を浴びた「データサイエンティスト」。そのニーズは高まっている。データサイエンティストとは、数理科学・数理工学を修得したうえで、並列計算プログラミングを含めた高い計算能力と現場におけるデータ収集などビジネススキルも併せ持った人材を指す。

統計数理研究所所長の樋口知之氏は、データサイエンティストを「マルチタレント」と喩える。その活躍の場は、IT業界だけではない。「農業や漁業等の第一次産業もデータサイエンティストの分析・予測技術を活用すれば、付加価値の高い物品をうみだすことが可能だ」(樋口氏)。

現在世界的に問題となっているのは、データサイエンティストの不足だ。11年のマッキンゼーのレポートでも、その点が指摘され話題となった。

マッキンゼーのレポートによると、米国だけでも18年にはデータサイエンティストの不足は14万~19万人とされ、現在先進国はこぞってデータサイエンティストの育成を始めている。04~08年の5年間で、データサイエンティスト数が減少している国は主要国の中では日本だけだ。「日本は若年層人口が急減しているためマイナスになることはある程度仕方ない。しかし、今後のグローバルな競争を考えると非常に心配な数字」と樋口氏は危惧する。企業においても、「『アナリティクスはタダだ』『外注すれば簡単』といった企業上層部の意識改革が必要だ」(樋口氏)。