東京電力・廣瀬直己社長(右)とともに、福島第一原発を見る安倍晋三首相。今後、自民党のエネルギー戦略から目が離せない。(PANA=写真)

東日本大震災以降、企業は停電の対応などエネルギー対策に追われた。判断を間違えれば企業の存続にも関わる。エネルギー戦略は重要さを増しているが、海外ではその責任者として「CNO(チーフ・エネルギー・オフィサー)」という役職が注目されている。

米国では大規模停電の発生などから「安定的な電力供給」が経営課題となっていたことに加え、環境問題への関心も高まっている。そこで、電力会社から供給される電気をただ消費するだけではなく、調達先を多様化するなどの取り組みが盛んになったことが、CNO登場の背景にある。

「電力を中心とするエネルギーをどう調達して利用するかが、企業にとってはコストのみならず社会的な責任を果たすうえでも重要になっている。そこで、経営レベルでもエネルギーを担当する幹部が必要になった」とアイティメディア スマートジャパン事業推進部長の石田雅也氏は語る。

CNOの役割は、エネルギーに関する損益責任を負うことだ。よって、エネルギーの調達や省エネはもちろん、自社遊休地の活用による「再生エネルギー事業」も視野に入る。企業のエネルギー戦略は今後徐々に企業価値に反映されてくるだろう。

ただ今のところ、日本では評価されにくい分野だ。「注目されるとしたら、国のエネルギー戦略が明確に示され、それに対する企業の責任が問われるようになったとき。自民党は3年以内に長期的なエネルギー戦略を策定する予定なので、2015年がひとつのターニングポイントだ」(石田氏)。