知らない人たちの前でプレゼンすることを考えると怖くて眠れない──もしかすると、それは「社交不安障害」かもしれない。

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社交不安の主な症状

社交不安障害とは、よく知らない人たちに注視されるような状況に恐怖などを感じる不安障害のひとつだ。具体的には、声や手足が震える、発汗・赤面したりする、何を話したらいいかわからなくなる、等が挙げられる。

発症は10代半ばから20代前半だが、気づかないことも多い。なぜなら、「相手に不安なところを見せてしまう」という考えがあるため、「相手に気づかれてはいけない」という行動をとってしまうからだ。

会社でありがちなのは、昇進や移動に伴う対人関係の大きな変化により発症するケースだ。また、「『プレゼンで声が震えていたね』と上司が指摘することで自覚してしまい、それから気にし始めてしまう人もいる」と千葉大学大学院医学研究院教授の清水栄司氏は話す。米国民の約10~15%が罹患しているという疫学統計も出ている。

この病気の厄介なのは、自分の症状を医者にも隠そうとしてしまうことがあることだ。うつ状態になって診療を行っても、社交不安障害の症状に関しては話そうとせず、医者も気づかないこともあるという。「欠勤しがちになることがSOSのサインになるかもしれない」(清水氏)

治療には投薬よりも認知行動療法(考え方や行動パターンを修正し気持ちを楽にする精神療法)が有効とされているが、うつ病とは違い、不安障害に対する認知行動療法は、まだ保険適用外だ。