2013年1月25日(金)

なぜあのヒラ社員には情報が集まるか

職場の摩訶不思議10篇

PRESIDENT 2012年6月4日号

著者
曽山 哲人 そやま・てつひと
サイバーエージェント取締役人事本部長

曽山 哲人

上智大学文学部卒業後、伊勢丹を経て1999年、サイバーエージェントに入社。インターネット広告事業本部統括を経て、2005年に同社人事本部長就任。業界をこえて注目される人事制度、社内制度を導入し、同社の活性化に努める。2008年より取締役人事本部長。著書に『サイバーエージェント流 自己成長する意思表明の仕方』(プレジデント社)がある。『サイバーエージェント流 成長するしかけ』(日本実業出版社)などがある。

執筆記事一覧

サイバーエージェント 取締役人事本部長 曽山哲人 構成=宮内 健
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同じ会社の同じ階層にいても、まだ発表されていない人事情報やプロジェクトの概要など、重要な社内情報の集まる人とそうでない人がいます。両者の違いの背景には社内人脈があり、そのベースになるのは相手との信頼関係です。

私たちはよく「信頼残高」という言葉を使っています。信頼には残高があり、画期的な仕事や期待を上回る行動をすると残高が増え、遅刻などつまらないことでも期待を裏切れば減少します。信頼残高が低いのに、重要な情報を教えてもらえることはありません。

頼んでいないのに情報を与えられる場合もあります。「この人に教えたほうが得だ」と相手に思わせることに成功しているからです。「得」というと具体的な見返りを想起するかもしれませんが、ここでは心理的な得も含みます。

情報提供者は、相手から感謝の気持ちを表してもらうと気分がよくなります。一方、情報をもらう側は、感謝の気持ちを表すことによって自分の信頼残高を増やすことができます。

つまり、「打てば響く人」には情報が集まりやすいのです。私も部下に頼まれて情報を教えたとき、お礼を言われると悪い気がしません。簡単なことですが、これができる人は意外に少ない。

逆に情報が集まらない人は信頼残高が低く、しかもその事実に気づいていないという特徴があります。謙虚さがなく、何かしてもらっても感謝するということがない。こういう「暖簾に腕押しの人」には、誰も情報を教えません。

では、どうすれば社内人脈を豊かにできるでしょうか。ポイントは3つあります。

1つ目は、組織貢献の意識を持つこと。社内人脈をつくる目的はあくまで自分が生み出す成果を最大化し、組織に貢献するためです。単なる知り合いが多いだけでは成果につながりません。

ちょっと強面で近づきにくい雰囲気の部長がいたとしましょう。しかし組織への貢献という視点を持っていれば、「部長の力を借りたほうが成果を出せ、会社に貢献できる」と合理的に思考し、近づいていけるようになるわけです。

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