「酪農×テレワーク」を決断できた理由

新井さんは結婚の際、奥様の実家の酪農業の三代目後継者がいないことを受け、自分が継ぐのがいちばんいいのではないかと考えました。

もちろん会社を辞めることになりますが、そのときすでに弊社のテレワークのことを知っていて、自分も在宅で働けばいいし、会社を辞めてもビジネスパーソンとしてのキャリアはテレワークで継続できるとわかっていました。

テレワークに背中を押され、酪農を継ぐ決心をしたといってもいいかもしれません。

じつは新井さんの前職の会社は、コロナ禍前から弊社とテレワークでのアウトソーシングの契約を結んでいました。

会社員時代の新井さんは、広告プロモーションの仕事を担当しながら、リモートワーカーたちの管理者として仕事を発注したり取りまとめたりするポジションでした。

その経験があったから、発言にもあったように、「酪農×テレワーク」への決断も早かったといいます。

農業大国でも離農して都心に行く人が多い

自分がリモートワーカーとなったいまは、前職の経験を活かしてひとりで仕事を完結させています。

さまざまなクライアントの企画書やプレスリリースを書く、メディアの広告枠の買い付けをする、記事出稿の手配をする、など。

自宅で働くビジネスマン
写真=iStock.com/mapo
※写真はイメージです

テレワークを始めたころは、仕事を受注しすぎて時間に追われ、牛の世話をしながら企画を考えるなどしていました。牛の世話には当然フレックスがないので、追い込まれてしまったこともあったそうです。

しかし、だんだんと仕事のバランスがわかってきたいまでは、自分のできる範囲でテレワークをすることができているといいます。

農業大国茨城にあって、境町も第一次産業は盛んですが、次世代の担い手となる若者や後継者は次々に都心に出てしまい、離農する人も多いと聞きます。

しかしテレワークのことを知れば、そういった担い手も地元に戻ってきやすくなったり、留まったりしやすくなるのではないでしょうか。

周囲にも、まだテレワークはやっていないけれど、やろうと思えばそのスキルのある人、予備軍はたくさんいるはずだと新井さんは言います。