日本人の平均寿命が延びる中、50~60代はどのように過ごしているのか。フリーライターの中山美里さんは、ディスコイベントや既婚者合コンなどで新たな出会いを求める男女を取材した。著書『ルポ 高齢者のセックス』(扶桑社新書)より、一部を紹介する――。(第1回/全2回)
結婚指輪をして手をつなぐ人のイメージ
写真=iStock.com/kohei_hara
※写真はイメージです

クリスマスも正月もディスコで踊る56歳男性

都内と近郊で行われるディスコに足を運ぶだけでなく、自らもディスコイベントやアウトドアイベントを頻繁に主催するヒロさん(56歳)に話を聞いた。

「十数年前までは中高年が遊べるディスコは都内で数軒しかなかったけれど、徐々に増えて、今では大箱のクラブでも80年代のディスコミュージックを流すディスコイベントをやるようになっている。本当に増えたなって思う。名古屋に静岡、大阪や北海道……地方にも俺ら世代が遊べるハコがある。年末のカウントダウンはディスコで迎える予定だけれど、クリスマスも正月も踊り場だよ。特に離婚しちゃって一人の人とか、寂しいからみんなで祝いたいんだろうね。それに20代とか30代前半くらいの若い子の間で、昭和ってちょっと流行ってるみたいね。『ハマチャチャのステップを覚えた〜い』なんて言ってきて、僕ら世代と一緒に遊んだりするんだよ。それも楽しいんだよね」

小さなディスコのイベントでも70〜80人が訪れるというから、相当盛り上がっている。ちなみに夜ではなく、昼から夕方に開かれるイベントもあるという。

3歳年上のシングルマザーと即日ホテルへ

「みんな若くないから疲れちゃうのよ。だから、会場も席がないとダメ。ちょっと踊ったら座って酒飲みたいでしょ。で、隣の席が空いていたら誰か座るでしょ。そこでちょっとした出会いになったりしてる。話が弾んでも夕方にイベントが終わっちゃうから『この後、もう一軒どうですか?』となっていく。そんな感じだから、イベントによってはシャンパンが飛ぶように出るよ」(ヒロさん)

まさにバブル世代らしい姿だが、このようなディスコイベントで、実際に出会いにつながることもある。52歳になるナオキさんが現在交際するシングルマザーで3歳年上の彼女と出会ったのも、ディスコイベントであった。

「きれいな人だなと思って、自分から声をかけました。向こうもこちらも友人と来ていたので、イベントの後に4人で飲み直し、離れがたくて3次会、4次会と朝まで飲み、その日のうちにホテルに行きました」