「不倫をしたいという気持ちはない」

女性の中には「不倫をしたいという気持ちはないけれど、参加費が安く、いろいろな人と話ができて、社会が広がりそうだ。もしかしたら、話の合う女の友達もできるかもしれない。知人から既婚者合コンの話を聞き、好奇心で参加した」という人もいた。

既婚者向けの合コンやパーティの情報がまとめて掲載されているホームページもあり、それを見ると日本全国で行われていることがわかる。多くはテーマが設けられており、「平日昼間に会える専業主婦」「おひとりさま限定」などがあり、年齢層も区切られている。参加費は、ランチタイムの場合は男性が5000円程度で、女性は1500円ほど。夜だとやや高めで、男性が8000円、女性は2000円くらいだ。

「主催者の仕切りが上手だと、連絡先交換やマッチングが非常にスムーズです。また、参加メンバーによって、会の空気やノリも大きく異なりますね。二次会への流れを上手につくれるかどうかによっても違います。二次会は、さらに仲良くなれることが多いですね」(主催者)

男性からチヤホヤされると自己肯定感が上がる

既婚者合コンを利用して、交際を経験したことのあるナミさん(仮名・46歳)は次のように話す。

中山美里『ルポ 高齢者のセックス』(扶桑社新書)
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「どっぷり恋愛したいというよりは、割り切ったライトなお付き合いをしたいので、そういう方と付き合ってきました。ご飯を食べて、楽しかったから、ついでにセックスもするかって感じ。フィーリングが合って、優しくて、面白い……というように一緒にいて楽しいことが大事なんです。だから、見た目が良くてつまんないのもNG。それから、『彼女になってください』みたいなのも重いんですよね。私は、昔から男性好きなので、お話をしてチヤホヤされると気持ちいいし、まだまだいけるかなと自己肯定感が上がるんです。お互いにそういう感じで付き合えればいいなと思っています」

いい人に出会えればいいけれど、それだけではなく、日常の中では出会えない人と話したい、人間関係を広げて楽しみの幅を広げたいと考える人が男女ともに多くを占めるように見受けられた。

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