ピッキングは人の6倍働くロボットで

コープさっぽろでは、店舗への配送およびトドックのセンターまでの配送を「北海道ロジサービス」にすべて任せています。

北海道ロジサービスの売上高は138億円(2022年度)。納品先は350店舗、取引先(仕入先を含む)400社、使用車両は750台となっています。

2018年8月、基幹となる物流拠点の江別物流センターに、ノルウェー製の自動倉庫型ピッキングシステム「オートストア(AutoStore)」、搬送支援ロボット「キャリロ(CarriRo)」を導入しました。

オートストアは、ジャングルジムのように立体的に積み上げられた小さなコンテナ(ビン)の中から、ピッキングすべき商品の入ったビンをロボットが掘り起こし、ピッキングを行う作業者の手元まで移動してくれるというもので、同じ床面積に設置された平置き棚の2~3倍の量を収納することが可能。

オートストア
写真提供=コープさっぽろ
オートストア

作業者は商品棚を探して歩き回ることなく、商品のピッキングを完了することができます。江別物流センターでは、宅配ドライセットセンター内の229坪のスペースに、1万3594ビンを積み上げ、70台のロボットが稼働しており、人の6倍の搬送能力を実現しているそうです。

またキャリロは、先頭カートを作業者が手押しすると、3台のカートがその後ろを追従していくというもの(最大7台まで増やすことが可能)で、カルガモロボットと呼ばれています。ロボットを動かすレールや、磁気テープ、2次元コードを床面に設置する必要もなく、稼働までに時間がかからないというメリットもあります。

キャリロ
写真提供=コープさっぽろ
キャリロ

物流DXでトラック待機時間も半減

このオートストアの導入により、取り扱い品目数を従来の4倍(約2万SKU)に一気に増やすことが可能になりました。それに合わせ、ドラッグストアで扱う商品にも品揃えを広げていきました。

現在では、食品スーパー(SM)+ドラッグストア(DGS)に匹敵する2万5000SKUまで拡大しており、「トドック」の品揃えだけで、日常生活回りはすべてカバーできます。

北海道ロジサービスでは、これらの導入実績を踏まえ、物流ロボットの外部への販売およびメンテナンスも事業として展開。北海道内でドラッグストア約200店舗を展開、共同仕入れ会社も設立しているサツドラホールディングスや良品計画の道内での物流を請け負う3PL事業なども行っています。

また物流DXへの取り組みも積極的に進めています。

ツナグテ(TSUNAGUTE)の伝票運用効率化サービス「テレサデリバリー(telesa-delivery)」を用い、荷物の受け渡し時に、本システムから印刷された納品伝票に記載されたQRコードをスマホアプリで読み込むと、リアルタイムで製・配・販・輸送の関係者全員で情報の共有ができるという取り組みは、公益社団法人日本ロジスティクスシステム協会が主催する2022年度「ロジスティクス大賞」を受賞しました。

メーカー400社、卸8社、運送事業社約20社を連携したもので、それにより、トラックの待機時間をそれまでの60分から30分まで半減させることになりました。