3倍速で満足いく服を買うための秘訣

「下手な鉄砲数打ちゃ当たる」ではありませんが、思いついたら即提案します。不思議なもので、数をこなしていると自然と質もついてくるのです。

人が1冊の本を読むあいだに3冊読むと決めれば、集中力も生まれます。そのような思考を常に持ち続けていると、すべてのスピードが速くなっていきます。

プライベートでは、人が1着の服を選ぶあいだに、私は3着選ぶようにしています。

アップルの創業者である故スティーブ・ジョブズはいつも黒のタートルネックにジーンズというファッションスタイルでした。これは、日々の決断の数を減らし、重要な決断に費やすエネルギーを節約するためだといわれています。

私もこれには同感です。

いろいろな服を試着しながら時間をかけて選ぶのが楽しい人には共感できないかもしれませんが、私にとっては「どれを買おうかな」と悩む時間はムダな時間で、「早く選んで次のことをしなきゃ」という気持ちになります。

ですから服のブランドも買うお店も決めています。自分の体形や自分に似合う服を知っていれば、迷う時間を最小限に抑えられるからです。

「安定よりも挑戦」がマイルールなので、今まで買ったことのない服を選ぶということだけを決めて、お店の人にそれを伝えれば、自分では選ばないような服を勧めてくれるので、満足する買い物ができます。

1問を30秒以内で解ききるとまず決める

私は幼い頃から、母や祖母から「1分あたりでできることを増やせ」と教えられてきました。

私の実家はそろばん教室を開いていました。私もそろばん指導の免許を持っていて、学習塾を始める前はそろばん塾を開いて教えていました。

そろばんをはじく子ども
写真=iStock.com/hikastock
※写真はイメージです

そろばんは、決まった時間内で何問計算できるかをトレーニングします。検定では、たとえばかけ算の場合、1問あたり30秒で、20問解かなくてはなりません。タイマーをかけて、30秒経ったら答えが出なくても次の問題に進みます。

答えが出たとしても、タイマーが鳴った瞬間に用紙に答えを書いていなかったら、アウト。次の問題に進まなくてはなりません。

このトレーニングは、短時間で考える習慣をつけるために効果的だといわれています。10分間を計って、「20問のうち、できるところまでやりなさい」ではなく、1問を30秒以内に解ききるという負荷をかけるところがポイントです。

このトレーニングをくり返すと、多くの子どもたちが大幅に成績を伸ばします。なぜなら、時間制限を設ければ「前倒し」で正確に答えを出そうとする習慣が身につくからです。

30秒で答えを出すのではなく、用紙に書く時間を考えたら、25秒で答えを出そうと少し前倒しにする習慣が生まれます。それが積み重なっていくと、学校のテストでもほかの人が8問解いているあいだに10問解けるようになり、結果的に点数アップや合格につながります。

また、そろばんは計算なので左脳を使うイメージがあるかもしれませんが、右脳も鍛えられます。そろばんに慣れてくると、そろばんを実際に使わなくても、頭の中でそろばんをパチパチとはじいて暗算ができるようになります。それがイメージ力を鍛えることになり、右脳を刺激するのです。