悩む時間を減らしながら、適切な意思決定をするにはどうすればいいか。学習塾を経営する山中恵美子さんは「左脳を使って論理的に物事を判断しようとすると、考える時間が長くなりがちだ。脳科学によると0.2秒で右脳が働いてイメージがわき、0.4秒後に左脳が働き出す。私のマイルールの1つは『返事は0.2秒でする』だが、そのおかげで迷ったり悩んだりすることはほとんどない」という――。

※本稿は、山中恵美子『人生が劇的に変わる「瞬読式」時間術 忙しさから解放され、本当にやりたいことに集中する』(三笠書房)の一部を再編集したものです。

クエスチョンマークがある人の頭と、歯車がある人の頭
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5分考えて出る結論は、5時間・5日間考えて出た結論と変わらない

この世で一番のムダな時間は、「悩むことに費やす時間」ではないでしょうか。

朝起きてから眠りにつくまで、私たちはさまざまな選択を迫られます。朝食に何を食べるか、どんな服を着て出かけるかといった日常のルーティンの中でさえ悩む場面はたくさんあります。

仕事においては、さらに判断に迷う場面があり、選択するのに時間がかかるものもたくさんあるでしょう。悩みはまさに「時間泥棒」。実は普段から「時間がない」「仕事が終わらない」という人の多くは、この「悩む時間」に貴重な自分の時間を奪われているのです。

悩む時間が増えてしまうのは、世の中に情報があふれ選択の幅が広がっていることも一因ですが、それと同時に、思考が「左脳型」になってしまっていることにあるのではないでしょうか。

左脳は過去のデータや経験から論理的に物事を判断しようとするため、考える(悩む)時間が長くなりがちです。もちろん、悩む時間をゼロにすることはできませんが、短くすることはできます。

私自身は、5分考えて出る結論は、5時間、あるいは5日間考えて出た結論と変わらないと思っています。

「下手の考え休むに似たり」ということわざもありますが、よい考えが浮かばないのにずっと思案しているのは時間の浪費です。5分考えてもわからなければ、さっさとわかる人に話を聞きに行くほうがよい結果に結びつきやすいのです。