また、塾と英会話教室の課題をこなさなければならないために、慢性的な睡眠不足に陥っている可能性もあります。

「からだの脳」(間脳・脳幹)が十分に育つためには、最低9時間の睡眠が必要です。リクのように、お稽古ばかりをしている子であればあるほど、案外、勉強もスポーツも成績が伸びないというのはよくあるケースです。

脳には勉強以外の刺激が必要

脳を育てるというと、勉強のことだけに目が向きがちですが、前頭葉は、毎日同じ刺激を受けるより、多種多様な刺激を受けた方がよりよく育ちます。

「ボーッとしている暇があったら、勉強しなさい!」と言うよりは、30分くらいその様子を見守ってから、「どう? 一緒にゲームでもする?」と声をかけてみるのはいかがでしょう。

ゲームのいいところは、遊びを通じて子どもの得意、不得意が見えてくるということです。たとえば、トランプの神経衰弱をやらせたら、空間認知能力が高い子どもは親が太刀打ちできないほどの速さでカードを取ることができます。

ゲームで子どもの脳育てをするには、まずは、子どもに「やる気」になってもらわなければなりません。しかしときどき、「調子に乗せると面倒くさい」と言って、子どもを真剣に叩きのめす親御さんがいます。それでは「もうやりたくない」と、子どもにソッポを向かれてしまうでしょう。

大人である親は、子どもの分が悪過ぎるときには、場合によっては、手加減してあげるくらいの心の余裕を持ってゲームの相手をするのがいいでしょう。

父と娘
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「語彙想起ゲーム」「しりとり」遊びで才能を伸ばす

言語を使った「語彙ごい想起ゲーム」や「しりとり」もおすすめです。

「語彙想起ゲーム」とは、たとえば「『ま』のつく言葉」と最初の文字を決めて、1分間にいくつの言葉を思いつけるかを競うものです。決まった文字で始まる言葉を思い出すには、側頭葉にある言語中枢にストックされている語彙から必要な言葉を選んで、前頭葉に運んでくる必要があります。

この能力は、適切な言葉を使って文章を構成する「論理思考」をするためにも必要です。このゲームは、医療現場でも認知症の検査のために使われています。

「しりとり」も、前頭葉の刺激になるゲームです。私たちの調査で、8歳の子どもの前頭葉の脳血流量を測定しながらしりとりを行ったところ、自分が答える番になると前頭葉への血流量が上がり、相手の番では下がることがわかりました。

脳を効率的に使うには、必要なときは前頭葉を活性化させ、必要ないときは休ませることが大切です。しりとりは、まさにその機能を鍛えることができるゲームだということがわかります。

さまざまな遊びを通じて、学校のモノサシでは測ることのできない才能を見つけてあげましょう。