「専業主婦」か「キャリアウーマン」2択は嫌だ

今は女性を会議に入れろ、リーダーシップに入れろというムーブメントが起きていて、それ自体は素晴らしいと思いますが、男性ばかりの中に女性一人を入れても、その女性は雰囲気を読みながらやっていかなければいけません。圧倒的マイノリティーとして入っていったところで、どれだけ自分の意見を効果的に言えるのかを考えると疑問を持ちます。

またキャリアと家庭との両立も、日本においては難しそうだと感じました。ある有名病院で活躍されている女性のお医者さんの方に「結婚することや子供を産むことはどう考えていますか?」と聞いたところ、「本気で医者として成功したいなら、あきらめたほうがいい」とアドバイスされました。男性医師や、同期の男子からも同じようなことを言われました。

内田舞さん
撮影=プレジデントオンライン編集部

それが当時の日本の現実だったのかもしれません。ですが私には「専業主婦」か「キャリアウーマン」の2択しかないのは嫌だと思ったんです。

どうやら、このまま日本で生活して「普通」の流れの中にいたら、私の目指している仕事と家庭の両立は、非常に難しいようだ。私は、日本を出てアメリカに渡る決意をしました。医学部4年生で、22歳の時です。

3年かかる試験を4カ月で受けた

さて、医師として働くために、アメリカの医師国家試験に合格しなければならない。そう考えた私は、日本の医学部に在籍しながら、現地の医学生が2年半から3年かけて受ける試験を、4カ月で受けました。

本当に勉強漬けの日々で、多い時期は一日18時間ほど勉強していました。メイクをする時間もなかったし、トイレにも小さい机をおいて勉強して、今だから言えますが、お風呂も4日に1回だけでした。ただかなり無理をしたので、受験後に倒れてしまいました。決して、他人におすすめできるやり方ではありません。ですがとにかく、自分の総合的な幸せを夢見て、日本から出ることを優先したので、この判断に私は後悔していません。

その結果合格し、医学部6年生の時にイェール大学の研修医として採用されました。本当に嬉しく、誇らしかったですね。