日本の医者は「謝ったら死ぬ病」にかかっている

【和田】臨床を舐めているから、そうなるんでしょう。たとえば、循環器内科医だったら、自分の専門分野である血圧のことにしか興味がない。だから、自分が思った通りに基準値に戻すことができれば満足で、「血圧は基準値になったのに、どうして患者は気分が悪そうなのか」といった疑問をもつことができないのでしょう。

鳥集徹編著『医者が飲まない薬 誰も言えなかった「真実」』(宝島社新書)
鳥集徹編著『医者が飲まない薬 誰も言えなかった「真実」』(宝島社新書)

【鳥集】先ほどのACCORD試験に関して言えば、血糖値を厳しく下げる治療は間違いだったことがわかったわけですよね。そうしたら、まっとうな人間であれば「今まで間違っていました。すみません」と過ちを認め、詫びるべきだと思うんです。しかし、エリートの人たちの多くには「何が何でも謝ったらダメだ」という不文律でもあるんでしょうか。僕はよく、「謝ったら死ぬ病」と呼んでいるのですが。

【和田】あると思いますよ。近藤さんの乳房温存療法の一件でもそうでした。

【鳥集】本当は、学会として近藤さんに謝って、時代に先駆けて乳房温存療法を提唱した功績を認めるべきでした。

【和田】そうですよね。だって、標準治療にしたわけですから。一方、糖尿病に関しては、いまだにヘモグロビンA1Cを6%以下にすることにこだわっている医者がいます。

【鳥集】それは、もう固定観念が変わらないということでしょうか。あるいは、ACCORD試験のこと自体、知らなかったりするのでしょうか。

【和田】おそらくね。

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