環太平洋経済連携協定(TPP)における関税撤廃のネガティブリスト(例外品目)を作成するか否か、交渉の行方が注目されている。

制度を運用するに当たり「例外」をつくることがある。原則自由で一部を例外的に禁止するとき、その例外を「ネガティブリスト」という。逆に原則禁止で一部を認可するときは、その例外を「ポジティブリスト」という。

ネガティブリスト方式導入の背景には「自由化」があることが多い。たとえば、1960年に日本では原油の輸入自由化の端緒となった「貿易・為替自由化計画大綱」が決定されたが、これは貿易がネガティブリスト方式に変更されたことを意味した。

しかし、ネガティブリスト化による急速な自由化で、規制のゆがみが出ることもある。99年の労働者派遣法改正で派遣業種がネガティブリスト化され、2004年には製造業派遣の解禁が注目された。だが一方で、派遣法の規制強化の声も高まった。「ファイリングおよび事務機器操作の業務は派遣受入期間の上限がない専門26業務とされていたが、行政指導で多くの派遣がそれに当たらないとされ、直用や業務委託に切り替えられた」と早稲田大学法学部教授・島田陽一氏は指摘する。

身近な例でもこの考え方は使える。妻から「使い途は自由だけど、これだけには使わないでね」とお小遣いを渡されるのがネガティブリストで、「これとこれにかかるお金は払うわ」と財布を握られるのがポジティブリストだ。自分にとっていいことでも家計にはどうか、という視点も要りそうだ。