外こもりの日本人が集まると言われるタイ・バンコクのカオサン通り。(PANA=写真)

「引きこもるなら海外で」――いわゆる「引きこもり」が自宅に閉じこもるのに対し、物価の安いアジアなどに行き、引きこもり同様、何もせずに暮らすことを「外こもり」と呼ぶ。

「移住」とも異なり、日本国内で人材派遣などの仕事を3カ月程度の短期間で一気に稼ぎ、それを元手に物価の安い国で「引きこもる」というライフスタイルだ。現地でPCを使って投資するような人もいるようだが、基本的には留学や現地で働くのとは違い、「海外で特に何もしない」のが特徴である。

「外こもり」は2000年代後半から若者を中心に広がった。日本人はタイなどの東南アジア諸国、ヨーロッパの若者はエジプトで暮らすことが多いようだ。物価の安さに加え、観光ビザで長期滞在できる国を選ぶというわけである。

海外で引きこもる人々にあるのは、国内の引きこもり以上の悲壮感だ。旅行作家の下川裕治氏は、「日本で希望が見つからない、正規社員になれない、など基本的に失望があり、日本で頑張るより、アジアで仕事せずに暮らせるならそうしようという発想」と話す。

だが、昨今そんな「外こもり」もできなくなる事態が訪れている。「(外こもりをする人の数は)明らかに減っている。日本経済の悪化で、派遣で働くことも難しくなっているからだ」(下川氏)。

他方、同世代の若者の中には、海外で就職したり投資したりすることで、悠々自適な生活を送っている人々が徐々に増えている。国外に脱出しても、格差はつきまとう。どこにいても、日本の閉塞感からは逃げられそうにない。