昨年末、日本では衆議院や各省庁など様々な公的機関や大企業がサイバー攻撃に遭い、組織内のPCから侵入される事件が多発した。サイバー空間を使ったスパイが世界中で暗躍している。冒頭の例以外にも、ソーシャルメディアなどを活用した情報収集、ビッグデータの悪用、掲示板サイト等における大量の架空人物を使った煽動などの活動が挙げられる。

特に世界中で注視されているのが中国によるサイバースパイ行為だ。IMFや米ロッキード・マーティンへのサイバー攻撃なども、中国の関与が調査でわかったものの、決定打はないままだ。米情報当局が背後に人民解放軍がいることを探ってはいるが、米中関係を悪化させたくない状況もあり対応は慎重だ。日本の外務省も今年8月に「サイバー政策専門員」というエキスパートを募集し始めており、サイバースパイ対策はもはや国家安全保障の一環だ。

サイバースパイの脅威は、民間企業においても他人ごとではない。株式会社ラックの専務理事・西本逸郎氏は「事業計画、体制・キーマン・派閥、推進しているプロジェクト、提案資料、クレームや抱えているトラブルなど、私たちの企業活動が筒抜けになっていると考えてよい」と警告する。

従来のウイルス対策ソフトやファイアウォールでは対処できないといわれるサイバースパイ。「サイバースパイに無関係の組織はありえない。お国の言うとおりにすれば事業が継続できた泰平の世ではなく、すでにサイバー戦国時代真っ只中であることを認識すべきだ」(西本氏)。