モチベ減退 CASE2

体や手を動かす気にまったくなれない……手をつけても長続きしない

「普段はもっと長く集中できるのに、今日はどうも集中できない」という場合は、単純に疲れている可能性が高い。つまり報酬系への刺激不足が要因ではなく「疲れ」の問題です。

疲労への対策は休憩すること。疲れているのに無理やり続けても能率は上がりません。「やる気がなくなったら、とりあえず1度やめる。そして休んだ後にまたやる」ことをお勧めします。

「今日はだめだな」と感じた日は無理をしない

人間の体調は一定ではありません。「今日はダメだな」と感じるときもあれば、「調子がいいな」ということもあります。大事なのはそうした「自分の心の声」をしっかり聞き、逆らわないことです。朝起きたとき、「今日はだめだな」と感じた日は無理をしない。「今日は元気だ」という日は、少し多めに仕事をこなしてもいいでしょう。

肉体ではなく脳が疲れている場合、集中力が途切れてしまい、やる気がなくなってしまうということもあります。もともと人間の集中力はそう長い時間は続きません。集中が続くという人でも、数時間以上はまず無理。本当に集中している時間は5分あるいは10分くらいで、よくても30分程度でしょう。脳や体が疲れていると、集中できる時間は当然さらに短くなります。

ですから体調が万全でないときにモチベーションが途切れてくるのは自然なことで、「これぐらいでやる気がなくなってしまうはずはない」などと思わず、素直に休みを取ることが、結果的によい成果を挙げる秘訣です。

完全にやめるのではなく、5分間だけ休憩するとか、一時的にしばらく目をつぶるということでも効果はあります。そうしているうちに、自然とまたやる気がみなぎってくるはずです。

もし、やる気を一定時間持続させたいと思うなら、「今日はここまで」と予め終わりを決めておくことも有効です。「ここまで終えたら、あとは休憩していい」とゴールが見え、モチベーションを保ちやすくなります。

「今日は勉強しようと決めたのに、10分だけやったら、残りの時間はついネットサーフィンをしてしまった……」と後悔した経験は誰にでもあるのではないでしょうか?

たまにであれば仕方ありませんが、もしそれがいつものことになっているようなら、「この時間は絶対に資料作りしかしない」という自分ルールをつくり集中力をキープさせるのも1つの手です。

また、人によって集中しやすい時間帯があるので、頭を使う難しい仕事はそうした時間帯を当てるようスケジュールを組むと仕事のはかどり方が変わり、やる気も保ちやすくなります。

たとえば私の場合、本の原稿を書くのは朝一番と決めています。朝の早いうちだと脳が元気で、発想力も豊かであるからです。最近も、午後だったら4~5時間かかってしまうような執筆作業が、朝では1時間で完了してしまいました。実感値ですが、朝に作業したもののほうが出来がいいことが多い。午後書いた原稿は時間がかかったにもかかわらず、全部ボツにしたりします。このようなことを繰り返していたら、やる気は失われていきますよね。

集中しやすい時間帯と集中しにくい時間帯とでは、仕事の質や効率が大きく違うので、「難しい仕事は集中しやすい時間帯を選ぶ」と達成感を得やすく、モチベーションもキープして作業を続けることができます。

そもそも人間は、自分にとって楽しいことでないと、なかなか続けられません。報酬系への刺激が感じられないのであれば、思い切ってやめてみるというのも1つの選択肢です。

【原因】体や脳の疲労
【対策】仕事を横に置いて休憩をとるか集中しやすい時間帯を選ぶ