報酬100万円でも疲れてたらやる気は出ない

やる気が起きない原因としては、「ご褒美がない」ことのほかに、単純に「疲れている」ことが考えられます。

モチベーションを下げる2大要因
「ご褒美」を脳が得られないと、やる気はどんどん下がる。たとえ「ご褒美」があっても、疲れていては結局やる気はあがらない。

疲れには、強度の高い運動を続けたとか、長時間立ち続けたといった肉体的な疲労と、睡眠が足りていないとか長時間集中し続けたといった脳の疲労があります。どちらの場合も結果的に報酬系が機能しなくなり、何かしようと思っても頭や体が動いてくれません。

体調不良はもちろん、ご飯を食べていなくてお腹がすいているといったときも同様です。疲れていたら、目の前に「ご褒美」が用意されていたとしてもやる気が起きないのです。

ほかにも「最近失恋して、そのせいでやる気がまったく起きない」というケース、身に覚えのある人もいるのではないでしょうか。

感情が原因でやる気が出なくなった場合は、「心が疲れている」というべきでしょう。誰しも憂鬱なときは、何もやりたくないものです。

私の場合も、仕事で意にそまない対応をしないといけなかったり、スタッフに大変な作業をお願いしなければいけなかったりしたときなど、精神的に疲れてしまって、その後やる気がなくなってしまうことがあります。

仕事で大きなトラブルがあったり、みんなの前で叱られたというようなときも、がっくりして心が疲れているものです。それが理由で気が乗らないとすればむしろ当然で、そうした場合は無理をせず先延ばしにすると、いずれまたモチベーションは復活してきます。

とりあえず行動するとやる気はついてくる

やる気が起きないとき、何をすればいいのでしょうか。

精神医学では「感情は直接コントロールすることが難しい」と考えます。気持ちはくるくる変わりますし、気分も変わりますが、それを直接変えようと思って頭で努力しても、なかなか思いどおりにはなりません。

そこで治療では感情をコントロールしようとするより、「環境や行動をコントロールすること」を考えます。

環境や体調、行動は感情に影響を与えます。暗い部屋に閉じこもっていると、誰でも嫌な気分になってきますよね。そこでカーテンを開いて外の明かりを入れると、気分も明るくなってきます。さらに外に散歩に出ると、環境と肉体的状況が両方変化するので、気分転換しやすくなります。

感情そのものではなく、それを形づくっている体調や環境から対策を取ることで、心を整えるわけです。