子供が「習い事をやめたい」と言い出したら、そのままやめさせてもいいのか。4人の子供全員を東京大学に合格させた佐藤亮子さんは「まずは理由を聞くといい。ただし、幼児教室とスイミングは続けたほうがいい」という――。

※本稿は、佐藤亮子『子どものやる気がどんどん上がる魔法の声かけ 3男1女東大理三合格の母が12歳までにかけた言葉』(中央公論新社)の一部を再編集したものです。

「集中しなさい」と言われても集中はできない

宿題するのを促したいとき
✕ なんでやらないの! 早くやりなさい!/集中して宿題をやりなさい!
◯ 一緒に宿題をやってみようか

宿題をさせたいときに、「なんでやらないの! 早くやりなさい!」「集中して宿題をやりなさい!」といった声かけをしていませんか。これらの声かけはNGです。宿題をやろうという気持ちはあっても、実力不足で問題を解けないと、宿題に取りかかることも集中することもできません。

たとえば、10問のうち7問以上わかれば集中してやれます。でも、10問中2問ぐらいしかわからないと、集中することはできないし、そもそも宿題に取りかかる気持ちにもなれません。お母さんたちはよく、「集中しなさい」という言葉を使いますが、「集中」はしようと思ってできるものではありません。楽しいこと、自分ができることをしていると自然に集中するものです。だから、「集中力」に対する考え方を変えてほしいですね。

集中できない原因は「実力不足」の可能性が高い

集中できないときには、実力不足でよくわかっていない可能性が高いです。

たとえば600mが何kmかわからない子どもがいますが、「1km=1000m」という基本がわかっていないと計算はできません。子どもがなかなか宿題に取りかかれないときには、「一緒に宿題をやってみようか」と声をかけてみましょう。そして、子どもの横に座って、宿題のどこがわかっていて、どこがわからないかを確認することが大切です。勉強は積み重ねですから、躓いている箇所がわかったら、そこまで戻って勉強をやり直させることが大切です。

母親と一緒に勉強する子供
写真=iStock.com/miya227
※写真はイメージです

問題は解けるのに、宿題に取りかかる準備が面倒で、なかなか取りかかれない場合もあります。そんなときには、お母さんが宿題のプリントや教科書、ノート、問題集などを机の上に出してあげるといいですね。取りかかるハードルが低くなります。

アドバイス
知らない言語で書かれた書物を、「集中して読みなさい」と言われても読めませんよね。お子さんが宿題をやらないのはそういう状態かもしれません。お子さんの横に座って、わかっているかどうかチェックしましょう。