「今の会社で働き続けるのが一番安全」。もしこう考えているとすれば、それは大いなる勘違いだ。人材育成コンサルティング会社代表の前川孝雄氏は「これからの社会では『1つの会社に依存する』という選択自体がハイリスクになる」という——。

※本稿は、前川孝雄『50歳からの幸せな独立戦略』(PHPビジネス新書)の一部を再編集したものです。

こぶしを握り締めポーズをとるシニア男性
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今の会社で働き続けるのは本当に安全か

コロナショックは社会全体に大きな影響を与えましたが、特に個人事業主は大打撃を受けました。大企業でもレナウンのように経営破綻に追い込まれたケースはあるものの、会社に属していれば、少なくとも個人でこの暴風雨にさらされるよりはリスクが少ないように見えます。

「早期退職・独立が頭をよぎることもあるけれど、今の会社で働き続けるのが一番安全。我慢して続けるしかないな」。そう考えている50代会社員も多いはずです。

しかし、変化の激しいこれからの社会では、「1社に依存する」こと自体がリスクとなります。

例えば、あなたが今50歳だとして、「10年後に定年を迎えたら、制度を活用して雇用延長で働き続けよう」と今後のプランを立てたとします。

ただ現代は、2011年の東日本大震災、毎年のように起こる局所的な地震や台風・水害、そして2020年のコロナ禍と、100年に一度と言われる非常事態が5~10年に一度起こり続けています。これからの10年の経営環境が一切の無風で、何の変化も起こらないということはまずあり得ません。