発表されるや、「ドラえもんのひみつ道具『翻訳コンニャク』のようだ」と話題になったスティック型の音声翻訳機「イリー」。12月6日には、元SMAPの草なぎ剛さんがイメージキャラクターを務めることも発表された。イリーは見た目は細長い白い棒だが、ネットに接続することなく、話しかけた言葉を最速0.2秒で英語や中国語、韓国語に訳すことができる。スマホ用アプリではなく、翻訳機として発売した理由とは――。
ウエアラブル音声翻訳機「ili」(イリー)

海外旅行で、現地の人と言葉が通じずに困ったことはないだろうか。また、2020年開催予定の東京オリンピックを控え、都内では外国人観光客の姿が目立つ。中でも中国語圏からの観光客は目立って増えており、接客業などでは「ちょっとしたやりとりにも苦労するので、簡単な中国語を覚えたい」といった話もよく聞くようになってきた。

そんな旅行者とのコミュニケーションの悩みをサポートしてくれる製品として期待されているのが、スティック型の音声翻訳機「ili」(以下、イリー)である。ドラえもんのひみつ道具「翻訳コンニャク」を現実化したような、こんな“夢の製品”がどのような経緯で開発されたのか。開発元であるログバーのマーケティング担当・中野敦史氏に聞いた。

▼イリーの気になるポイント
・ボタンを押しながら日本語で話しかけると、そのまま英語(中国語、韓国語)に翻訳してくれるスティック型翻訳機。
・翻訳スピードが速い(最速0.2秒)
・インターネット接続が不要(スマホ用アプリと違い、ネット環境がなくても使える)
・操作が簡単(ボタンを押しながら話すだけ)

旅行に特化したスティック型の一方向翻訳機

イリーは2017年6月1日にサービスインした、旅行会話に特化した翻訳機である。2018年3月には一般販売が始まる予定だ。「ili」という名前は、人に見立てた「i」が、イリーを介してつながっている様子をイメージして付けられた。白いスティックの中央にあるボタンを押しながら日本語で話しかけると、一瞬で英語や中国語、韓国語に翻訳してくれる。

インターネットへの接続が不要で、旅行会話だけに特化していること、独自に開発したエンジンにより最速0.2秒と瞬時に翻訳できるのが大きな特徴だ。現在、日本語・英語・中国語・韓国語に対応し、2018年にはタイ語にも着手予定。バッテリーはUSB充電で、駆動時間はレンタルモデルが約1日(約8時間)、個人販売する新型モデルが約3日。新旧いずれのモデルも、フル充電しておけば、ほぼ1日持ち歩いて観光に使える。

現在、個人でイリーを使いたい場合は、現行の2017年モデルをレンタルするか、新型の2018年モデルを購入するかを選べる。レンタルは、日本人が海外で使う場合はビジョンの「グローバルWiFi」 https://townwifi.com/ili/ 、訪日観光客が国内で使う場合はインバウンド観光ビル「歌舞伎城」https://www.vision-net.co.jp/news/20170628001439.html でイリーを借りることができ、一日数百円で利用可能。新型の2018年モデルはログバーの公式サイト https://iamili.com/ja/ で購入申込ができる。

交通、商業施設、ホテルや旅館、自治体など外国人観光客と接する法人向けのサービス「イリー・フォー・ゲスト」も提供している(現在、新規申込は受け付けていない)。写真は東京メトロで利用しているところ。