確率「95%」で到来「20年間の老後」にどう備えるか

生命保険の契約によっては60歳の時に満期返戻金が数百万円戻ることもありますが、全部の契約を途中で解約してしまうとこれもなくしてしまうことになります。また、解約時に少額の返戻金を受け取った場合も、「臨時のボーナスが出た」とばかりに使い切ってしまうことがしばしば。これ、すなわち老後の貯蓄分さえも減らしてしまった、ということになります。

生命保険の見直しはいいことなのですが、浮いた保険料が出たら同額を必ず老後のための積み立て原資とするべきです。「95%」の確率で到来する老後、その期間(平均余命)は男性(60歳で定年を迎えた場合)は19年、女性は24年もあるわけですから、少しでも多く老後に向けて備える必要があります。

▼30~40歳代なら、iDeCoがおすすめ

30歳代から40歳代であれば、iDeCo(個人型確定拠出年金)の利用がもっとも有利で確実な老後資産形成になります。国の制度ながら、掛け金は全額が個人の資産として管理されていますので将来、確実にもらえます。

運用は自己責任の制度であるので、金融商品の選択や増やし方はすべて自分で決定することができます。また、以前、本コラムで報告したとおり、掛け金については全額所得控除が認められるので所得税や住民税が軽くなる分、積み立てるだけで20%以上の運用収益を得たも同然です(高所得者はもっと有利)。【参考記事 貯金「1000万の壁」を越える人の共通点 http://president.jp/articles/-/23369

しかも60歳まで原則解約不可能という“しばり”は、老後のための資金確保にとっては好都合です。

企業年金のある会社員と公務員は月1.2万円、企業年金のない会社員と専業主婦は月2.3万円、自営業者は月6.8万円まで積み立てられますので、可能であれば上限に近い積み立てを続けていきたいところです。

老後対策として民間の年金保険に加入する手もありますが、税制優遇面ではiDeCoに軍配が上がります。ファイナンシャルプランナーのあいだでは、例の政治のキャッチコピーになぞらえて「iDeCoファースト」と言う人もいるほどです。逆に言うと、iDeCoは金融機関にとってはうまみが少ない(儲からない)ので、セールストークが後回しにされるとも言われるほどのこの仕組み、これを「95%」のための備えにしてはどうでしょうか。