「夫は妻のオモチャである」

家計の口座が夫婦一緒だと、配偶者に金の動きがわかってしまう。秘密の金が必要になるときはあるもので、夫婦別々の家計に憧れる男は多い。

300人以上の経営者を取材してきたジャーナリスト・國貞文隆氏は「現在、40代でバリバリ仕事している男性は、奥さんも働いているケースが多い。たとえば星野リゾートの星野佳路氏の奥さんは、日産の専務。ある程度稼いでいると、家計が別でもおかしくない」と前置きしたうえで、一緒の管理を勧める。

「基本、経営者の奥さんに弱い人は一人もいません。盛田昭夫氏の奥さんなんて、『うちの夫はただの子供よ』『経営の神様じゃなくて、機械オタク』のようなことを気軽に言えるほど、たくましい方でしたから。こそこそ別家計にしているヒマがあったら、奥さんに一括して任せるべきですね」

成功している経営者ほど、妻を信用して大事にする傾向があるという。

「ことあるごとに奥さんにプレゼントを渡したりと、ちゃんと投資もしている。そういう経営者のほうが従業員の気持ちをつかめるのか、企業の業績が伸びることが多いんですよ。また大物ほど、家庭との時間を大事にしますね。日本電産社長の永守重信氏は朝から仕事しているけれど、帰るのも早い。ユニクロの柳井正氏も、6時にはもう家に帰っています」

作家の嵐山光三郎氏は、近代の著名な人妻を多数調べた『人妻魂』のあとがきでこのように記している。

「身にしみてわかったのは『夫は妻のオモチャである』ということでした。逆にいえば、妻のオモチャになれる夫が大成するのです」

自分が主導するなどとは考えず、家計を任せるのが、正しいふるまいなのかもしれない。