【弘兼】ハウステンボスは「オランダの街を再現する」というのがセールスポイントでしたよね。しかし、いつ来ても同じ風景では飽きてしまう。

【澤田】そうなんです。風景だけで人を集められるのならば、誰も苦労しないですよね。「きれいな街並みだったね」と一度は来てもらえる。しかし、二度目はない。素晴らしい景色は、一度見れば十分なんです。

【弘兼】そのせいでしょうか、昔のハウステンボスは、落ち着いた雰囲気があり、大人の客が多いという印象がありました。

【澤田】「オランダの街」へのこだわりはいいのですが、それをお客さんに押し付けても意味がありません。

【弘兼】街並みだけが続くので、「高い散歩」とも言われていましたね。

【澤田】「散歩」ではファミリーや10代や20代の若者は集められません。しかし、本来テーマパークの中心顧客はファミリーや若者なんです。そこで、オランダとの関わりがなくても、どんどん新しいイベントを企画しようと考えました。お客さんをリピーターにするには、「いつ来ても楽しい」という印象をもっていただく必要がありますから。

【弘兼】たとえばどんな企画ですか?

【澤田】オルゴールやオルガン、鐘などを展示するミュージアムがあったのですが、まったく人がおらず、特に夜はゴーストタウンのようでした。それなら本物にしてしまえと、「スリラー・ファンタジー・ミュージアム」と名付けて、おばけ屋敷にしました。いまでは「スリラーシティ」というエリアに発展しています。

【弘兼】おばけ屋敷にしては立派な外観だと思いましたが、そういう理由があったのですね。

【澤田】ほかにはアニメやアイドルのイベントも開くようにしました。

(1)夜間は運河がライトアップされる。(2)高さ105mのタワー「ドムトールン」が見える。(3)取材時(5月)にはバラ祭が開催中。(4)夜間にはバラ園もライトアップ。(5)場内ホテルの宿泊者を対象にした「仮面舞踏会パーティー」。(6)園内には澤田社長の肖像画が。(7)2015年5月から植物工場でとれた野菜の提供が始まった。