手書きと印刷に違いはあるのか

法律上、レシートと領収書の区別がないとしたら、領収書のほうが公的な書類というイメージは間違いなのか。

「領収書は事業者が判子を押してくれるので、公的な印象を与えるのかもしれません。しかし、それはただの商慣習。判子がなくても、法的な位置づけは同じです」

手書きか印刷か、といった違いも関係がない。直筆のほうが印刷より正式な文書といったイメージがあるかもしれないが、法的な効力はどちらも同じ。冒頭にあげたように印刷された領収書を渡されたからといって、驚く必要は何もない。

ただ、注意点が1つある。

「領収書とレシートが変わらないというのは、あくまでも税法上の話です。会社と従業員の関係では社内ルールが優先されるので、会社が『レシートではなく手書きの領収書をもらってこい』という場合は、それに従う必要があります。会社の経理規程を確認することが大切です」

(図版作成=大橋昭一)
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