【○AFTER】
図を拡大
提案書(AFTER)

(1)示すデータの違いでグラフを組み合わせ――9割の会社は会議室を持っていないことを円グラフで示し、そのうち8割の会社が会議室を探すのに苦労していることを棒グラフで示した。形の違うグラフを組み合わせると、種類の異なるデータを示したものだということが一目でわかるようになる。また、下のキーメッセージも、きちんとこのグラフのなかに落とし込まれている。

(2)ビジュアルを積極的に活用――いくら提案書といっても、メッセージやグラフばかりでは、読み手はつらくなってしまう。そこで写真やイラストを活用して、読み手の感情を刺激することも重要になってくる。たえず読み手のことを考えながら提案書を作成する習慣を、ぜひ身に付けていきたいものである。

(3)1つのグラフにロジックを集約――このシートにおけるキーワードが何かというと「固定費」と「変動費」で、その違いをわかってもらうことが重要なポイントになる。そこで、横軸に「月」、縦軸に「会議室のコスト」を置き、毎月のコストを比較するようにした。そうすると、貸会議室の利用が会議室を保有するよりもいかに有利か、一目でわかるようになる。ロジックをいかにグラフで表すか、その工夫に全力を注ごう。

(4)言いたいことは1つのグラフで表現――【BEFORE】のときのように3つもグラフがあると、読み手に提案の意図はまったく伝わらなくなってしまう。原則、自分の提案・主張は1つのグラフで表現するように心がけよう。このように1つの円グラフに作り直すことで、成長企業のなかで、将来も会議室を持つ気のない会社が大半を占めていることがわかり、読み手を「ウチも貸会議室の利用を続けていかなくてはいけないかな」という気にさせることができる。

(5)忘れてはいけないグラフのタイトル――せっかく作成したグラフも「名なしの権兵衛」のままであると、読み手の理解は一向に進まない。また、データの出所を示すことによって、データそのものの信頼性を高めることができるようになっていく。

(6)グラフ化で生命を得る数字――表組みで数字を並べてみても読み手には理解されず、死んだ数字になってしまう。しかし、このようにグラフに表すことによって、貸会議室を活発に使う成長企業ほど、オプションを積極的に利用していることが明確になり、数字そのものが生きてくる。また、強調したい数字については「吹き出し」を活用するなりして、できるだけ目立つようにしたい。

(構成=野澤正毅)
【関連記事】
孫正義式「その場で心をつかむ」企画書の作り方