2015年11月24日(火)

孫正義式「提案書」は相手の“メリットをビジュアル化”で説得力増

人に伝わる、人を動かす「パワポ資料」の基本

PRESIDENT 2013年12月2日号

ジャパン・フラッグシップ・プロジェクト代表取締役 三木雄信 野澤正毅=構成
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最近、中身のない、わかりにくいパワポ資料が増えている。自分の主張を簡潔、的確に提示する資料の作り方とはどのようなものか? 孫正義秘伝のワザを愛弟子、ジャパン・フラッグシップ・プロジェクト 三木雄信代表取締役社長が開陳する。

ベンチャー企業の既存顧客を対象に貸会議室の利用を促すというプレジデント・オフィス・サービスの新規プロジェクトは、いよいよ顧客に提案する段階を迎えた。その際に活躍するのが「提案書」だ。現在、プレゼンテーションの場では、パワーポイントで作成したスライドを資料として使うスタイルが一般的になっている。

企画書のパート(http://president.jp/articles/-/16556)で紹介したように「ワンシート・ワンメッセージ」という資料作りの基本ルールがある。強調したい情報だけに絞り込み、一目瞭然で相手に伝わるようにするためだ。そして、プレゼンで顧客の心を掴むために、ぜひ身につけておきたいテクニックが“数字”の見せ方だ。

競泳のタイムや選挙の得票数のように、数値データは公明正大で、白黒をはっきりつけてくれる。それゆえ数値データをうまく使うと、説得力が増す。ただし、使える数値データでも、数字をそのまま並べただけでは力を発揮しない。ところが、数字を棒グラフ、円グラフといったぐあいに図形に置き換えると、すんなりと頭に入ってくれる。実はこれには根拠がある。

孫社長はことあるごとに、「プレゼンでは右脳を刺激しろ」と部下に指示していた。右脳は感情とともに、図形や写真といったビジュアル情報の処理をつかさどっている。人間は気まぐれな生き物で、感情が動いて興味を持たないと、理路整然とした話でも聞き流してしまう。しかし、図形や写真を見ると右脳が刺激され、それにつられて感情も動き、目の前の情報に関心を抱くようになるのだ。

その点において、後述の提案書【BEFORE】P2は論外。貴重な数値データを、まったくビジュアル化していない。そこで、【AFTER】では会議室を保有した場合と賃借した場合のコストをグラフ化した。

このグラフのミソは横の時間軸を加えたこと。保有と賃借のそれぞれのコストを月別に集計し、折れ線グラフとして表すことで、年間の推移を比べた。その結果、会議室を保有すれば固定費になるが、賃借すれば変動費になり、月によっては大幅にコストを圧縮できることが一目瞭然となった。

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