「ドアを開けながら、『こんにちは』と挨拶して入ってくる営業マンが結構いますね。一度に2つ以上の動作をするということは、何かのついでということです。相手の方に対して無礼であるのみならず、見た目もだらしなく、みっともない印象を与えてしまいます」

そんな手厳しい指摘を行うのは、成約率99%の“営業の神様”として知られる営業セミナー講師の加賀田晃さんだ。加賀田さんは、「ドアを開けるのであればきちっと開けて、それから挨拶をしなくてはいけません」と釘を刺したうえで、具体的な手順を紹介する。

(1)ドアをノックしてから開ける(2)右手でドアノブを押さえながら部屋の中に一歩入る(3)そのまま直立不動で「失礼いたします」といって一礼する(4)静かにドアに向き直って、両手ないしは右手で丁寧にドアを閉める(5)振り向いて軽く一礼し、相手の方のところへ歩んでいく

次に行うのが名刺交換を交えた挨拶。ここでも三流の代表的な行動パターンがある。「目を合わせずにうつむいたまま、社名や自分の名前をいわずに、『こういった者です』といいながら出す人が意外と多いのです。暗に『名刺を見ればわかりますよね』といっているようなもので、大変失礼なことです。それに目を合わせないことも、大きな間違いです」と西出さんは話す。

「目は心の鏡」といった格言があるように、目はその人の人柄や考えていることを表すもの。自分から目を合わせないということは、何かやましい気持ちを持っていたり、自信のなさを相手に伝えてしまうのだ。

また、和田さんは三流の失敗例として、人によって態度を変えることをあげる。「訪問先の社長にはパーフェクトな挨拶をするのに、受付にいる女性に対しては『ヨッ! 社長いる?』といったような横柄な挨拶をする人がたまにいます。でも、そんな底の浅さはすぐに見透かされてしまいます。受付に社長のお譲さんが座っていたらどうなるのでしょう」と注意を促す。