乗車券と特急券どちらが上になって改札機から出る?

私は、新幹線がとても好きです。年間100回以上は乗車します。ですから、新幹線のことは普通の方よりもずっと知っています。それは、好きで関心があるため、知らずのうちに観察してしまうからです。

新幹線のことでもうひとつ。今では、新幹線でもICカードを利用して改札機を通ることが多いのですが、それでも切符を使うこともあります。

たとえば、東京を出発し、まず名古屋で仕事をし、それから大阪に移動するというふうに途中下車する場合、ICカードだと乗車券を東京‐大阪と通しで買えないので、切符を乗車券と特急券に分けて買います。

この際、切符(乗車券と特急券)を2枚、新幹線の改札機に入れるのですが、どちらが上になって出てくるかご存知ですか?

「そんなこと気にはしていない」人がほとんどだと思いますが、答えは入れたのと上下が逆になって出てくるのです。乗車券を下に、特急券を上にして改札機に入れると、乗車券が上で特急券が下になって出てきます。

私が、なぜこれに気づいたのか。それは、どんなものを見る時にも「お客さま第一」かどうかという「仮説」をもって物事を見ているからです。

たかが切符、されど切符。何事も興味関心を持てば、見える「景色」が変わり、発想というアウトプットの質が劇的に向上するのだ。

どういうことかって?

乗車券と特急券はどちらが上になって改札機から出てきたほうがお客さま第一でしょうか。それは特急券です。改札を通って最初に知りたい情報は、どの列車の何号車何番の席に座るかです。それが書いてあるのは特急券だからです。

それは細かいことかもしれませんが、お客さまの中には重い荷物を持ったお年寄りや小さな子供さんを抱いたお母さんだっています。その人たちが、もし2枚の切符の上下を入れ替えないといけないとすれば大変です。子供さんを落とすことだったありえます。

特急券が必ず上になって出てくる仕組みにすれば、それは防げます。私はそういう観点でものを見ているのです。「お客さま第一」という「原理原則」を「仮説」としてものを見ると、漠然と見ているよりもものが見えるのです。ですから、物事がよく見える第2ステップは「仮説」を持つことなのです。

関心を持てばものが見えるようになります。そして、原理原則などを仮説として持てば、さらに物事がはっきりと見えるようになるのです。