春先に話題になったエルニーニョ現象。南米ペルー沖の海水温が上昇するこの現象が起きると、日本では長雨・冷夏といった天候不順が予想され、これが景気減速を招くのではと心配されたが、むしろ豪雨と猛暑が続いた。

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世界のサケの生産量

エルニーニョ発生の可能性は低下したという見方もあるが、油断はならない。気にかかるのが養殖魚や家畜の餌の魚粉になるカタクチイワシの漁獲量。1972年のエルニーニョでもペルー沖のカタクチイワシの漁獲量が激減し混乱を招いたが、70年代と比べると大きく変化したのが養殖サケの世界的な需要増加。日本も生食用サーモンとしてノルウェーからタイセイヨウサケ、塩鮭用にギンザケをチリから大量に輸入している。年間の輸入金額は1733億円。

養殖サケの主な餌はカタクチイワシを原料にした魚粉。この魚粉の主な産出国が世界のイワシ・ニシン類漁獲量の約3分の1を水揚げしているペルーだ。茨城大学の二平章さんはいう。

「ペルーのカタクチイワシが激減すれば、魚粉生産は大打撃。養殖サケはもちろん家畜飼料にも深刻な影響がでるのは必至。米国産大豆が代替飼料に回り、日本への輸出量が減少、大豆不足が深刻化します。農水産物価格が高騰するかもしれません」