2014年10月23日(木)

なぜ日本の管理職は幸せになれないのか

人事&給料の謎【4】

PRESIDENT Online スペシャル

著者
山口 俊一 やまぐち・しゅんいち
株式会社新経営サービス 常務取締役 人事戦略研究所所長

山口 俊一人事コンサルタントとして20年超。人事コンサルティングのほか、講演、執筆活動を中心に活躍している。約400社の人事・賃金制度改革を支援してきた人事戦略研究所を立ち上げ、現在に至る。一部上場企業から中堅・中小企業に至るまで、様々な業種・業態の人事制度改革コンサルティングを手掛ける。最新著書は、『業種別人事制度(3)商社・卸売業』『業種別人事制度(6)運輸・物流業』(中央経済社) >>人事戦略研究所サイト http://jinji.jp

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新経営サービス 常務取締役 人事戦略研究所所長 山口俊一=文
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なぜ若手社員は店長になりたくないのか

小売業や飲食業などでは、若手社員の間で「店長にはなりたくない」という人が少なくありません。これを私は、『店長になりたくない症候群』と呼んでいますが、彼らの理由はこうです。

「店長になっても、たいして給料は上がらないし」「残業代がつかなくなって、かえって年収が下がる人もいるし」「人件費を増やせないから、店長自身が休みなく夜中まで働いて」「その割に、業績が悪いと本部や社長からガミガミ言われて」「部下やパートタイマーからも文句を言われるし」とても希望のもてるポストじゃないよ、というのです。

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各国の職種別賃金差

2008年、マクドナルドの店長が残業代の支払いを会社に求めて訴訟を起こしました。店長の仕事が法律で定められた管理監督者に該当すれば、会社は残業代を支払う義務はありません。ところが裁判所は、この店長の主張を支持し、会社側に残業代の支払いを命じました。そのため「名ばかり管理職」(会社は管理職の扱いをしているつもりでも、実態は管理職ではない)という言葉が流行りました。

これは店舗ビジネスの業界だけではありません。メーカーや商社なら『課長になりたくない症候群』ということになるでしょう。新入社員向けの意識調査などでは、「出世」に対する意欲はやや上昇しているようですが、実際の管理職は待遇的に報われるポジションなのでしょうか。

表は、日本貿易振興機構(JETRO)の調査データを基に、職種ごとの平均給与を国別に指標化したものです。これを見ると、工場作業職の平均給与を1.0とした時、日本はエンジニアで1.4、中間管理職(課長クラス)で1.8となっています。

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