日本では、戦後以降、土地神話に縛られた独自の価値観が、バブル崩壊まで50年弱続いたわけです。土地は必ず値上がりすると皆が信じて疑わなかったため、時には「いい場所に、更地で土地を持っていることが、最も価値が高い」という考え方もありました。

バブル時には、インカムゲインではなく、キャピタルゲインを重視して事業が成り立っていました。企業が借金をして投資をする、その金利も払えない事業が果たして事業といえるのか、常識で考えれば、おかしいでしょう? そういう危機感は以前から持っていました。

(総括、分析・解説=楠木 建 構成=小川 剛)
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