政府は太陽光発電など再生可能エネルギーによる発電量を2030年度には3000億kWhと2010年度の3倍以上に増加させることを目標としている。それを支えるのが、再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度(FIT)だ。同様の制度は世界50カ国以上で用いられている。

ソフトバンクグループと三井物産が2月に運営を開始した本州最大級のメガソーラー(鳥取県米子市)。(時事通信フォト=写真)

日本でもソフトバンクなどがメガソーラーの大規模プロジェクトに着手しているが、ここにきて問題が生じている。今年2月、経済産業省は12年度の買い取り価格で国から認定を受けながら、発電を始めていない約4700件のうち、約670件の認定を取り消す方向で検討に入った。申請時点で買い取り価格が決まるため、年度末に駆け込み申請した後、稼働せずにパネル価格下落を待って不当な利得を得ようとする悪質な業者が続出したのだ。

では、申請時期だけ見直しをかければいいのかというと、それでは不十分のようだ。「現行のFITは『こんなに儲かる商売はない』といえる状態」と立命館アジア太平洋大学アジア太平洋学部教授の塚田俊三氏は話す。「FITに参加する投資家の収益率(IRR)は税引き後だと20%近く、海外に比べて非常に高い。投資家へのうまみが大きく、外資の大規模な参入が進むことになるだろう」。

すでにイタリアやスペインはFITの規模を縮小した。同じ轍を踏む必要はない。塚田氏は「金融機関へのヒアリングの結果、収益率は10%程度が妥当。もっと早く価格を国際水準まで落とさないといけない」と警鐘を鳴らす。目先の目標達成のためにエサをまきすぎないとよいが。