2013年9月10日(火)

ロボットは電気街で夢を見るか(前篇)

秋葉原☆マネタイズ【第24回】

PRESIDENT Online スペシャル

著者
梅本 克 うめもと・まさる
デジタルハリウッド大学客員准教授 Ph.D.(経済学)

梅本 克

1967年生まれ。1998年、ヴァンダービルト大学(米国テネシー州)卒。米国留学時より少女漫画の翻訳活動を通して日本文化の普及に努め、2005年にアジアアニメーション産業組織体(AAO)を立ち上げて、アジア各地でコンテンツ産業の育成や若手クリエイターの支援を行う。これまで国内外で多くのアニメ、ロリィタファッション、ヴィジュアル系など、日本のポップカルチャーに関わるイベントをプロデュースし、現在は秋葉原に活動拠点を置いて、新しい文化の創造と発信を通した地域活性化プロジェクトに携わる。趣味は仏像鑑賞とコスプレプロデュース。柔道二段と茶道石州流奥傳の資格を持つ。主な関心は秋葉原における趣味文化の経済学。

執筆記事一覧

梅本 克=文(デジタルハリウッド大学客員准教授)
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 可愛すぎるキティちゃんロボ

「伝えたい言葉はたくさんあるよ」(コスプレイヤー=みるる、撮影=YU-SUKE)

秋葉原の北端にあるロボット専門店「Robot Shopテクノロジア」に入ると、「ハローキティロボ」が話しかけてきました。「ハローキティロボ」は、キティちゃんの容姿を持ち、会話ができるロボットです。明るく広々とした店内には、完成品のロボットや、ロボットの部品、工作キット、学習セットが、ぎっしりと並んでいます。店内の体験コーナーでは、実際にロボットを操作して動かすことができます。格好いい2足歩行ロボットの操作に夢中になっていると、「どこにいるの? どこにいるの?」とキティちゃんが可愛い声で叫び続けているので、思わず駆け寄って頭を撫でました。

2000年、秋葉原に誕生した国内初のロボット専門店「ツクモロボット王国」は、運営会社の九十九電機がヤマダ電機に事業譲渡された2009年に、一時閉鎖されました。その直後に、秋葉原にはロボット専門店が必要と、ツクモロボット王国の元店長が立ち上げた店舗が「Robot Shopテクノロジア」でした。ちょうど同じころ、大阪のベンチャー企業「ヴィストン」が初の直営店「ヴィストンロボットセンター」を秋葉原にオープン。後に「ツクモロボット王国」も復活し、秋葉原にロボット専門店が集まりました。

このような店舗で取り扱われているロボットは、「ホビーロボット」と呼ばれます。あえて言えば、おもちゃ。しかし、単なるおもちゃではありません。

ロボットは大別して、鉄腕アトムやドラえもんのような、起動させると人間の操作を必要とせずに自分で判断し動く「自律型ロボット」と、鉄人28号やマジンガーZのように、人間の操作(例:進行方向を指示する)とプログラムによる動き(例:二本脚で立つためにバランスを取る)を組み合わせた「操作型ロボット」があります。どちらもコンピュータで作られたプログラムが重要です。

コンピュータの著しい発達によって、ロボットはさらに軽量で安価になりました。そのおかげで、かつては研究機関や製造業の工場でのみ使われていたロボットは、部屋の状態を判断して作動するエアコンのようなロボット技術を組み込んだ家電や、「ホビーロボット」として家庭にも普及しました。また、パーソナルコンピュータとして家庭にコンピュータが普及すると、ロボットを個人で作ることも可能になりました。ロボット工作は、それまでの電子工作とは異なり、作る楽しさだけでなく、プログラムによって自分の思い通りに動かす楽しみも加わった、新しい「ホビー」となったのです。おもちゃと言えども、最先端のロボット工学や技術のエッセンスに触れることができるのです。

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