「インド洋を制する者はアジアを制する」
中国がここまでインド洋への進出を急ぐ理由は、インドの海での地理的優位性にあります。まずインドの国土自体がインド洋に迫り出しており、必然的にここを通る航路を監視する能力を持っています。
また、マラッカ海峡の西の入り口を覆うアンダマン・ニコバル諸島は、インド洋からマラッカ海峡まで航行する船のほぼすべてを監視できる位置にあります。インドに加えて、米軍のディエゴ・ガルシア島、シンガポールを拠点とする艦隊を合わせると、中国は明らかな劣勢に立たされています。
QUAD(日米豪印戦略対話)が象徴するように、アメリカはインドを日本、オーストラリアと共に中国の南の海での勢力を維持する重要な潜在協力国と見ています。インドと中国の大陸と海洋の両面で競い合う特異な関係は、21世紀を通して続くでしょう。マハンは100年以上前にこう予言しました。
インド洋を制する者はアジアを制する。21世紀にこの海は7つの海の鍵となる。世界の運命はインド洋の上で決せられるだろう。