マネックス証券は、テクノロジーを駆使した取引ツールや幅広い金融商品の提供など、独自の強みを持っているネット証券だ。では、今から投資を始める場合にマネックス証券はおすすめできるのだろうか。
この記事では、マネックス証券のメリットやデメリット、特徴を他の証券会社と比較しながら紹介する。マネックス証券の口座開設方法についても解説するため、参考にしてほしい。
マネックス証券の特徴
マネックス証券は、ネット証券業界でSBI証券、楽天証券に次いで3番目に口座開設数が多い人気の証券会社だ。
商号 | マネックス証券株式会社 |
---|---|
代表名 | 田原務、相川浩 |
設立年月 | 1999年5月 |
資本金 | 13,195,101,821円 |
口座数 | 2,608,039口座 |
取扱商品 | 国内株、米国株、投資信託、新規公開株(IPO)、 ETF、FX、暗号資産CFD、債券、おまかせ運用(ON COMPASS)、 国内株信用取引、米国株信用、先物・オプション、中国株、 金・プラチナ、私募ファンド(二項有価証券) |
マネックス証券は「“MONEY”のYの一歩先を行く“MONEX”『未来の金融を創業する』」という企業理念の基、ゴールドマン・サックス証券会社の常務取締役を務めた松本大氏とソニーの共同出資により設立された。
新NISAの開始に伴い、マネックス証券においてもNISA口座での取引は売買手数料の無料化が進んでいる。商品別の手数料は以下の表の通りだ。
国内株式(現物取引) | 無料 |
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国内株式(単元未満株取引) | 実質無料(全額キャッシュバック) |
米国株 | 実質無料(全額キャッシュバック) |
中国株 | 実質無料(全額キャッシュバック) |
投資信託 | 無料 |
\メリットの多い投資口座開設は/
マネックス証券のメリット
マネックス証券で取引を行う際の主なメリットは、以下の5つだ。
新NISAの中国株投資と米国株投資に強い
マネックス証券のメリット1つ目は、新NISA口座(成長投資枠)での中国株と米国株取引に強いことだ。マネックス証券の新NISAでは、米国株と中国株の取引手数料が実質無料(全額キャッシュバック)になる。
米国株 | 中国株 | |
---|---|---|
マネックス証券 |
実質無料 (全額キャッシュバック) |
実質無料 (全額キャッシュバック) |
SBI証券 | 無料 | 無料 |
楽天証券 | 無料 | 約定代金の0.275%(税込み) |
auカブコム証券 | 無料 | 取り扱いなし |
松井証券 | 無料 | 取り扱いなし |
マネックス証券では、購入、売却時に発生した取引手数料が、翌月の最終営業日までに証券総合口座にキャッシュバックされる仕組みだ。
そのため、新NISA口座で、コストを抑えて米国株や中国株への投資を行いたい人は、マネックス証券を検討しよう。
また、マネックス証券は米国株の取扱銘柄数が多いのも特徴だ。
証券会社 | 取扱銘柄数 |
---|---|
マネックス証券 | 4,481銘柄 |
SBI証券 | 4,451銘柄 |
楽天証券 | 4,018銘柄 |
auカブコム証券 | 1,890銘柄 |
松井証券 | 3,627銘柄 |
主要ネット証券のなかでも、マネックス証券の米国株の取扱銘柄数はもっとも多い。そのため、さまざまな米国個別株から投資先を選びたい人にもマネックス証券はおすすめだ。
とはいえ、米国個別株をどのように選んだらいいか分からない人も多いだろう。そういった初心者に向けてマネックス証券は便利な銘柄分析ツールを提供している。
\米国株の取扱銘柄数も多い/
分析ツール「マネックス銘柄スカウター」が使いやすい
マネックス証券のメリット2つ目は、銘柄分析ツール「マネックス銘柄スカウター」が使いやすいことだ。
「マネックス銘柄スカウター」は日本株や米国株、中国株の分析ができるツールで、マネックス証券の証券口座を保有している人であればパソコンやタブレット、スマホから無料で利用できる。
過去10期以上の長期業績をグラフで表示させたり、業績を3カ月ごとに区切って表示させたり、さまざまな条件で企業をスクリーニングできるため、「銘柄を分析しやすい」と投資家から好評だ。
特に、過去10年間の業績で企業検索できる「10年スクリーニング」は銘柄スカウターの人気機能だ。10年スクリーニングを使えば、「過去10年間の増益回数が〇回以上」、「連続増益年数が〇期以上」などの条件で銘柄を探すことができる。
他にも「株主優待がもらえる好業績の連続増配銘柄」、「長期的に業績好調なのに理論株価よりも割安な銘柄」など、さまざまな条件で企業を抽出できる。
日本株や米国株、中国株の個別株を分析しながら投資したい人は、マネックス証券がおすすめだ。
\個別株を分析しながら投資ができる/
取引ツールが高性能
マネックス証券のメリット3つ目は、取引ツール「マネックストレーダー」が高性能であることだ。
マネックストレーダーはマネックス証券で口座を開設すれば使えるトレーディング・ツールで、株式取引や先物・オプション取引に対応している。
特にマネックストレーダーでおすすめの機能は「Trading One」と「スピード注文」だ。
Trading Oneは個別銘柄の板情報やチャート、ニュース、注文画面などを1つの画面に表示できる。
スピード注文は「板情報」を見ながらワンクリックで注文ができる方法だ。板情報には売買注文の価格と数量が表示され、どれくらいの株価で何株買えるかを知ることができる。
事前に取引パスワードを入力しておけばれば、画面上でダブルクリックするだけで発注手続きは完了だ。ある程度投資経験を積んだ投資上級者にとっても使いやすい機能といえる。
IPOは銘柄数が多く平等抽選
マネックス証券のメリット4つ目は、IPOの銘柄数が多く抽選が平等におこなわれることだ。
IPO投資は新たに上場する企業の株式を購入する方法で、上場後に大きな値上がりが期待できることから投資家に人気の投資手法となっている。
ただし、IPO銘柄は誰でも購入できるわけではなく、事前に申し込んで抽選に当たる必要がある。IPO投資で利益を狙いたい投資家はIPO銘柄の取り扱いが多い証券会社で口座を開くことが重要だ。
マネックス証券はSBI証券、楽天証券に次いで2021年〜2023年の平均IPO取扱銘柄数が多いため、IPO投資を始めたい人はマネックス証券での口座開設も検討しよう。
2021年 | 2022年 | 2023年 | |
---|---|---|---|
SBI証券 | 122銘柄 | 89銘柄 | 91銘柄 |
楽天証券 | 74銘柄 | 65銘柄 | 60銘柄 |
マネックス証券 | 66銘柄 | 61銘柄 | 53銘柄 |
松井証券 | 56銘柄 | 54銘柄 | 70銘柄 |
大和証券 | 49銘柄 | 42銘柄 | 44銘柄 |
野村證券 | 64銘柄 | 39銘柄 | 43銘柄 |
また、マネックス証券はIPO投資の抽選方法が平等抽選であることもメリットだ。通常、IPO投資の抽選では、申込株式数が多い人や過去にIPO投資に応募した人、通常の取引回数が多い人などを当選しやすくしている証券会社が多い。
一方で、マネックス証券のIPO投資は申込株式数や過去の応募歴、普段の取引回数に関係なく、誰でも一律に当選できるチャンスがある。
初めてIPO投資に挑戦する人はマネックス証券を検討しよう。
\IPO投資の挑戦も/
年会費無料カードでのクレカ積立のポイント還元率が高い
マネックス証券のメリット5つ目は、年会費無料カードでのクレカ積立のポイント還元率が高いことだ。
大手ネット証券会社の多くは、投資信託の積立投資をクレジットカード決済でおこなうことでポイントが貯まる「クレカ積立」のサービスを用意している。ただし、ポイント還元率は各ネット証券によって異なる。
証券会社 | ポイント還元率 |
---|---|
SBI証券(三井住友カードNL) | 年間カード利用額10万円以上:0.5%(※1) 年間カード利用額10万円未満:0.0%(※1) |
楽天証券(楽天カード) | 0.5%(※2) |
マネックス証券(マネックスカード) |
積立額月5万円以下の部分:1.1% 積立額月5万円超~7万円以下の部分:0.6% 積立額月7万円超の部分:0.2% |
auカブコム証券(auPAYカード) | 1.0% |
松井証券 | クレカ積立非対応 |
年会費無料のクレジットカードを利用した場合、他社でのクレカ積立におけるポイント還元率は0.5〜1.0%に設定されている。一方、マネックス証券は、積立金額が月5万円以下の部分のポイント還元率が1.1%と高い。毎月5万円の積立を続ければ、月間550ポイント、年間6,600ポイント、10年間で66,000ポイントを獲得できる。
投資信託の積立投資でお得にポイントをもらいたい人は、マネックス証券でのクレカ積立がおすすめだ。
\投資信託のクレカ積立もできる/
マネックス証券のデメリット
メリットの多いマネックス証券だが、デメリットも存在する。マネックス証券の主なデメリットは4つだ。
マネックスポイントでは投信積立ができない
マネックス証券のデメリット1つ目は、マネックスポイントでの投資信託の積立投資ができないことだ。
大手ネット証券会社の多くは、クレカ積立などで貯めたポイントを使って投資ができる「ポイント投資」のサービスを用意している。
ただし、ポイント投資の対象となる商品はネット証券によって異なる。
SBI証券 | 楽天証券 | マネックス証券 | |
---|---|---|---|
投資信託の積立投資 | 〇 | 〇 | × |
投資信託のスポット投資 | 〇 | 〇 | 〇 |
国内株式 | 〇 | 〇 | × |
海外株式 | × | 〇 | × |
マネックス証券では、クレカ積立で貯まるマネックスポイントを投資信託のスポット投資に使えるが、投資信託の積立投資では利用することができない。
貯めたポイントを使って投資信託の積立投資をしたい場合は、SBI証券と楽天証券がおすすめだ。
\貯めたポイントを積立投資できる/
マネックスポイントは他社ポイントに変換しないと直接買い物で使えない
マネックス証券のデメリット2つ目は、貯めたマネックスポイントを直接買い物に使えないことだ。
マネックスカードでのクレカ積立や日常利用などで貯められるマネックスポイントは、そのままだと投資信託のスポット購入か株式売買手数料(1ポイント=1円相当)、暗号資産の買い付けにしか使えない。
買い物などに活用するためには、他社ポイントに変換する必要がある。
ポイントの種類 | 交換レート |
---|---|
dポイント | 1マネックスポイント=1ポイント |
Amazonギフトカード | 1マネックスポイント=1円相当 |
Vポイント | 50マネックスポイント=50ポイント |
Pontaポイント | 1マネックスポイント=1ポイント |
nanacoポイント | 50マネックスポイント=50ポイント |
WAONポイント | 100マネックスポイント=100ポイント |
ANAのマイル | 1000マネックスポイント=250マイル |
JALのマイル | 1000マネックスポイント=250マイル |
マネックスポイントはさまざまなポイントに交換できるメリットがある一方、交換の手間がかかることは覚えておこう。
外国株は米国株と中国株しか扱っていない
マネックス証券のデメリット3つ目は、外国株式を米国株と中国株しか取り扱っていないことだ。
外国株式の種類 | SBI証券 | 楽天証券 | マネックス証券 | auカブコム証券 | 松井証券 |
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米国株 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
中国株 | 〇 | 〇 | 〇 | × | × |
インドネシア株 | 〇 | 〇 | × | × | × |
タイ株 | 〇 | 〇 | × | × | × |
マレーシア株 | 〇 | 〇 | × | × | × |
シンガポール株 | 〇 | 〇 | × | × | × |
韓国株 | 〇 | × | × | × | × |
ベトナム株 | 〇 | × | × | × | × |
ロシア株 | 〇 | × | × | × | × |
日本株、米国株に投資をしていてさらに新たな投資先を探している人は、ネット証券最多の9カ国の外国株式を取り扱うSBI証券がおすすめだ。
一方、投資信託や米国株式、中国株式のみにしか投資をしない場合はマネックス証券でも問題ないだろう。
クレカ積立で月5万円を超える分のポイント還元率が低い
マネックス証券のデメリット4つ目は、クレカ積立で月5万円分を超える分に対してのポイント還元率が低いことだ。
2024年3月の内閣府令改正により、各証券会社はクレカ積立の上限額を月5万円から月10万円に引き上げた。マネックス証券は上限額引上げに伴って、これまで投資金額に対して一律でポイント還元率が1.1%だったものを、月5万円超〜7万円以下に関しては0.6%、月7万円超〜10万円以下の部分に関しては0.2%とした。
積立金額 | ポイント還元率 |
---|---|
月5万円以下 | 1.1% |
月5万円超過~7万円以下 | 0.6% |
月7万円超過~10万円以下 | 0.2% |
この改正により、積立金額が月5万円を超える場合にはSBI証券や楽天証券、auカブコム証券のほうがポイント還元率が高くなる場合がある。
マネックス証券での投資の始め方、口座開設方法は?
マネックス証券で口座開設するには、以下の4つのステップで完了する。
STEP1 口座開設の申し込みボタンを押す
マネックス証券の口座を開設するためにまずパソコンやスマホから公式サイトにアクセスして、申し込みボタンを押そう。
オンラインで手続きする場合は「アプリで口座開設」と「Webで口座開設」のいずれかを選択できる。
アプリでの口座開設はマイナンバーの暗証番号を入力する必要がある。マイナンバーの暗証番号を覚えていない人はWebで口座開設を選んだ方がいいだろう。
STEP2 メールアドレスを登録後個人情報を入力する
申し込みページに遷移したら、メールアドレスと名前、生年月日、住所、電話番号などの個人情報を入力する。
入力した個人情報は後で撮影する本人確認書類に記載の情報と一致している必要があるため、入力内容に間違いがないか必ずチェックしよう。
迷惑メール設定をしている人はマネックス証券からのお知らせが届かない可能性もあるため、「@monex.co.jp」のアドレスからのメール受信を許可しておこう。
STEP3 本人確認書類の提出と顔写真撮影
個人情報の入力が完了すると、本人確認書類の提出と顔写真の撮影画面に遷移する。
・マイナンバーカード(個人番号カード)
・運転免許証+通知カード
マイナンバーカードを持っている人は、マイナンバーカードの撮影と顔認証のみで本人確認できる。マイナンバーカードの表裏と厚みを撮影し、顔を正面と横から撮影すれば本人確認は完了だ。
STEP4 口座情報を入力する
本人確認書類の提出と顔写真の撮影が完了したら、口座情報の入力画面に移る。
証券口座で投資をする際、原則として銀行口座から取引口座へ入金する必要がある。
開設する証券口座の種類も選択しよう。自分で確定申告する必要がない場合は「特定口座(源泉徴収あり・配当金受入あり)」、自分で確定申告をする必要がある場合は「特定口座(源泉徴収なし)」がおすすめだ。
さらに、NISA口座を開設したい場合はここで同時に開設申込が必要だ。「NISAを申し込む」を選択しよう。
これらの手続きができたら、申し込みは完了だ。最短で申し込みの翌営業日に口座開設できる。
「証券総合取引口座開設完了のお知らせ」の件名で口座開設通知メールが届くため、メールに記載されたURLからマネックス証券のWebサイトにログインしよう。