新NISAを銀行で始めるデメリットとは? ネット証券と徹底比較
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新NISA口座を銀行で開くことを検討している人もいるだろう。

確かに、銀行は対面相談できるメリットがある一方、コスト面や運用できる商品の種類や数ではデメリットがある。

それゆえ新NISAを開く場合は、SNSやネット上の記事でネット証券がおすすめされることが多い。

本記事では、銀行で口座開設したいと思っている人や、すでに銀行で口座開設したもののデメリットが気になる人に向けて、新NISA口座を銀行で開くメリット・デメリットを詳しく解説していく。

本記事で銀行の特徴を理解し、自分に合う金融機関を選ぶきっかけにしてほしい。

目次

  1. 新NISAを銀行で始めるメリット
  2. 新NISAを銀行で始めるデメリット
    1. 個別株やETFには投資できない
    2. 投資信託の銘柄数が少ない
    3. ポイントが貯まりにくい
  3. 【初心者向け】銀行での新NISAの始め方
    1. 銀行を選ぶ
    2. 対面やネットでNISA口座を開設する
  4. 銀行の新NISAに関するよくある質問

新NISAを銀行で始めるメリット

新NISAを銀行で始めるメリット

新NISAを銀行で始めるメリットはなんといっても窓口で対面相談できることだ。

新NISAはオンラインでも口座開設手続きできるが、さまざまな個人情報を入力したり、本人確認書類を撮影してアップロードしたりしなければならない。

口座開設後も、どのような金融商品にいくらずつ投資するかを考え、実際の運用商品を購入する必要がある。

一度金融商品を購入した後も、いつ売却すべきか、ポートフォリオを見直すべきか、悩むこともあるだろう。

ネット証券やネット銀行でも電話の相談窓口を設けているのでサポートがまったく受けられないわけではないが、オンラインの操作に不安がある人もいるはずだ。

対面相談しながら新NISAを始めたい人には、店舗がある銀行や、対面証券が向いているといえるだろう。

新NISAを銀行で始めるデメリット

新NISAを銀行で始める場合、ネット証券と比較してデメリットとして考えられるのは以下の3点だ。

以下の表にネット証券、対面証券、ネット銀行、店舗がある銀行のサービスをまとめている。

  NISA対応商品 手数料 クレジット
カード積立
最低
積立金額
注文方法
株式・ETF 投資信託 つみたて
投資枠
成長投資枠
(株式)
成長投資枠
(投資信託)
ネット証券
充実

充実
無料
基本的に
無料

基本的に
無料

多くが取扱あり

100円〜
オンライン
対面証券
充実

少ない
無料
基本的に
有料

基本的に
有料
×
取扱なし

1,000円程度〜
オンライン・電話・店舗
ネット銀行 ×
取扱なし

少ない
無料 ×
取扱なし

基本的に
有料
×
取扱なし

1,000円程度〜
オンライン
銀行
(店舗あり)
×
取扱なし

少ない
無料 ×
取扱なし

基本的に
有料
×
取扱なし

1,000円程度〜
オンライン・電話・店舗
※2024年5月31日時点

個別株やETFには投資できない

証券会社の新NISA口座では投資信託だけでなく、個別銘柄やETFにも投資ができるが、銀行の新NISAでは個別株やETFに投資できない。

ETFとは

東京証券取引所などの金融商品取引所に上場している投資信託のこと。Exchange Traded Fundsの略で「上場投資信託」とも呼ばれる。投資信託は1日1回しか取引できないが、ETFは金融商品取引所の時間内であれば株式と同じように売り買いできる。一般的には、投資信託に比べると保有している間にかかるコスト「信託報酬」が安いといわれている。

旧NISAでは、投資信託の積立専用の「つみたてNISA」と個別株にも投資できる「一般NISA」の併用はできなかった。

しかし2024年からの新制度では「つみたて投資枠(旧つみたてNISA)」と「成長投資枠(一般NISA)」の両方を併用できるようになった。

積立投資も個別銘柄投資も両方できることが新NISAの魅力の1つだが、銀行でNISA口座を開設した場合、NISAでの投資は投資信託に限られてしまう。

もし、銀行で新NISA口座を開設し、後で「やっぱり個別株の取引もしたい」と思った場合は、新たに通常の証券口座を開くという方法もある。

「長期でリターンを狙う積立投資はNISAで、相場を読みづらく損失が出る可能性の高い個別株は通常の証券口座で」と口座を使い分けるのも一案だ。

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投資信託の銘柄数が少ない

対面相談窓口のある銀行や証券会社はネット証券・ネット銀行に比べて新NISAで取り扱っている投資信託の銘柄数が少ない。

積立投資専用の「つみたて投資枠」の商品数で比較すると、銀行では新NISAの取り扱い銘柄数が25本程度である場合が多いが、主要なネット証券の楽天証券やSBI証券は200本以上だ。

■投資信託の取扱本数
金融機関名 区分 投資信託の取扱商品数
(つみたて投資枠)
SBI証券 ネット証券 224本
楽天証券 ネット証券 222本
マネックス証券 ネット証券 219本
auカブコム証券 ネット証券 220本
野村證券 対面証券 19本
みずほ銀行 銀行
(店舗あり)
14本
三井住友銀行 銀行
(店舗あり)
4本
三菱UFJ銀行 銀行
(店舗あり)
24本
ゆうちょ銀行 銀行
(店舗あり)
15本
PayPay銀行 ネット銀行 99本
※2024年3月23日時点

取り扱う銘柄数が少ないと、自分が投資したいと思っていた銘柄を選べずに、信託報酬(投資信託を保有している間にかかるコスト)が高い銘柄を選ばざるを得ない可能性がある。

ネット証券で幅広い銘柄の中から自分で選ぶのが面倒に感じる人には、銀行がおすすめだが、投資の選択肢が少ないことは知っておこう。

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ポイントが貯まりにくい

銀行はポイントが貯まりにくいデメリットもある。

例えば、りそな銀行であれば「りそなポイントクラブ」などのポイント制度があるものの、大手ネット証券のサービスほどはポイントが付与されない。

■月3万円投信積立を行う場合
りそな銀行 SBI証券 楽天証券
獲得ポイント※ 14ポイント 15ポイント 15ポイント
円換算 9.8円 15円 15円
2024年5月27日現在
※SBI証券は三井住友カード (NL)でクレカ積立を行った場合、楽天証券は楽天カードでクレカ積立を行った場合

ネット証券でポイントが貯まりやすいのは、クレジットカードで投資信託の積立金額を決済できる「クレカ積立」に対応しているからだ。

クレカ積立

上の図はSBI証券のポイント付与率を示したものだが、2024年5月時点では、三井住友カード(NL)で毎月5万円ずつ、10年積み立てると3万円分のポイントがもらえる計算となっている。

このほかにも、特定の投資信託を保有しているだけでポイントがもらえるサービスもある。

image16.png
画像引用=SBI証券公式サイト

コツコツ投資してポイントを獲得したいと考えている場合は、ネット証券の方がお得になる。

\貯めるポイントの種類を選べる/

【初心者向け】銀行での新NISAの始め方

銀行の特徴を把握し、その上で銀行で新NISA口座を開くと決めたら、次のような手順で口座開設手続きを進めよう。

銀行を選ぶ

まずは口座を開設する銀行を選ぼう。

初心者が新NISAを始める際には、以下の観点で金融機関を選ぶとよい。

銀行を選ぶポイント
  • 自分が普段利用している銀行かどうか
  • 自分の投資したい銘柄は取り扱っているか
  • ポイントサービスがあるか

自分が普段利用している銀行でNISA口座を取り扱っているなら、そこで口座開設するのがおすすめだ。

初めての銀行であれば、対面での相談がしやすい近所の銀行を候補にしよう。

その上で、自分の投資したい銘柄を扱っているかどうかもチェックしておくべきだ。

つみたて投資枠の商品は多くても25本程度しか取り扱っていないので、まだ投資したい銘柄が決まっていない人は特に、取扱銘柄数が多い銀行を選んでおくといいだろう。

上記2つの観点に加えて、ポイントサービスや現金プレゼントサービスに対応しているかどうかで判断しよう。

つみたて投資枠 つみたて投資枠 成長投資枠 ポイントサービス
三菱UFJ銀行 24本 362本 メインバンク プラス ポイントサービス
ゆうちょ銀行 15本 58本 ゆうちょ Pay ポイントプログラム
みずほ銀行 14本 118本 現金プレゼントはあり
りそな銀行 13本 90本 りそなクラブポイント
三井住友銀行 4本 90本 なし
2024年3月23日時点

対面やネットでNISA口座を開設する

ここでは例として、つみたて投資枠の商品数が比較的多く、ポイントサービスにも対応している三菱UFJ銀行での口座開設を例に説明する。

三菱UFJ銀行の場合はネットと店舗のどちらからも口座開設が可能だが、銀行で始めるメリットを活かすためにも、ここでは店舗での口座開設方法について紹介する。

①「ご来店希望の店舗を探す」から予約を行う

店舗での口座開設は予約が優先となっているため予約しよう。支店を選択する右側に「ご来店予約/お待ち状況」のボタンがあるので、クリックする。

三菱UFJ銀行予約
画像引用=三菱UFJ銀行公式サイト

次にご予約内容の選択画面が出るので、プルダウンから「【個人】NISA〜〜のお手続き」を選択する。

三菱UFJ銀行NISA
画像引用=三菱UFJ銀行公式サイト

平日の銀行の営業時間から空いている時間を選択すれば予約が完了だ。

②書類を用意し、店舗で手続きする

当日には、本人確認書類を忘れずに持参しよう。

マイナンバーカードを持っている場合は、マイナンバーカードのみ用意すれば問題ない。

マイナンバーを提出未済の方は、用意すべき書類が複雑になる。

「マイナンバーの記載のある住民票の写し」を持参する場合は以下のうちいずれか1点が必要だ。

いずれか1点

運転免許証 / 各種健康保険証 / パスポート※ / 国民年金手帳 / 各種福祉手帳 / 介護保険証 児童扶養手当証書・特別児童扶養手当証書 / 私立学校教職員組合の加入者証/在留カード / 特別永住者証明書 / 国家公務員共済組合または地方公務員共済組合の組合員証

※所持人記入欄の氏名は漢字氏名をご署名ください。(所持人記入欄のないパスポートはご利用いただけません)日本国以外で発行されたパスポートは、本人確認書類としてご利用いただけませんので、ご了承ください。

「マイナンバー通知カード(2020/5/25以降に通知カードの記載事項に変更が生じていないもの)」を持参する場合は以下のうちいずれかの資料が必要だ。

以下の資料の場合、いずれか1点

運転免許証 / パスポート / 各種福祉手帳 / 在留カード / 特別永住者証明書

以下の資料の場合、いずれか2点

各種健康保険証 / 住民票の写し / 印鑑証明書 / 国民年金手帳 / 介護保険証/私立学校教職員組合の加入者証 / 国家公務員共済組合または地方公務員共済組合の組合員証/児童扶養手当証書・特別児童扶養手当証書 / 母子健康手帳

無事に口座開設の申し込みが済んだら、係員に投資する商品の選定や積立設定についても相談してみよう。

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銀行の新NISAに関するよくある質問

銀行でNISA口座を開設しているが、ネット証券に変更することはできる?
すでに銀行でNISA口座を開いていても金融機関を変更することは可能だ。ただし、変更は年に1回に限られており、手続きは前年の10月1日から変更を希望する年の9月末までに行う必要がある。すでに金融商品を購入していた場合、その年は変更ができない点や、前口座から金融商品の移管はできない点にも注意が必要だ。具体的な手続き方法としては、まず、銀行でNISA口座を解約しよう。解約手続きの方法は金融機関銀行によって異なるが、窓口や郵送、ネットで行える。解約後、自分が選んだ新たな金融機関ネット証券で新たにNISA口座の開設申し込みを進めよう。ネット証券ならば、申し込みはネットで10分ほどで完了できる。
なぜ本や記事ではネット証券の新NISAがおすすめされることが多いのか?
ネット証券はNISAで取り扱う商品の数が多く、コストが低い投資信託も豊富だ。サポート体制はオンラインや電話に限られているが、ネットの操作に慣れている人はより低コストで効率よく投資できるネット証券の方がおすすめだ。一方、銀行や対面証券は、窓口で係員に相談しながら口座開設や銘柄選定を進められるメリットがある。ネットでの手続きが不安な人や対面相談の方が安心できる人には銀行や対面証券が向いているだろう。