子育てを通して、家族、地域、
企業それぞれの絆が強くなる

玉木 今年5月にタマホームが実施した「夫婦の出産意識調査」では、子どもが一人いる世帯の約65%が「2人目の出産をためらう」と回答し、その理由として最も多かったのが「経済的な不安」でした。いわば、「2人目の壁」が存在しているのです。私自身、2人目の子どもを授かったばかりということもあり、この現状には深く考えさせられました。こうした不安を払拭するためには、どのようなことが重要なのでしょうか。

 子育てするご家族の安心感をいかに醸成するかが重要です。これは、行政だけでは解決が困難です。地域の皆様のお力添えも大切です。そして、企業の皆様と協力しながら、より良いワークライフバランスを実現していきたい。御社では、子どもの記念日などに休むことができる「アニバーサリー休暇」を導入していらっしゃると聞きました。とても素敵な取り組みだと思います。

玉木 ありがとうございます。私も人の親になってから、しっかり触れ合うことで、子どもとの絆が強まることが分かりました。親子で過ごす機会をもっと増やすためにも、職場には時短勤務や育休を取りにくい空気があってはいけない。気兼ねなく休み、帰宅できる企業風土を根付かせていくつもりです。

 子育ては簡単なことではありません。でも、それを超える喜びがあります。子どもの成長にかかわっていくことは、人生の一大仕事です。男性も女性も楽しみながら育児にかかわることで、プライベートが充実し、仕事へのモチベーションも向上します。経営戦略の観点からも、子育てのサポートは重要ではないでしょうか。

玉木 住宅会社の立場としては、人々が互いに助け合える「ご近所付き合い」の再生にも貢献したいですね。子育ての負担感が高まっているのは、昔は当たり前だった地域のつながりが希薄化していることも要因の一つではないでしょうか。子育てが楽しくなるような街づくりに向けて、業種の垣根を越えた「連合」を組むことができないかと、動き出したところです。

 私たちも子育てするご家族がいきいきと輝く街を目指し、地域のつながりを大切にし、積極的に民間の皆様のお知恵をお借りしながら、さまざまなご支援を行っていきます。

玉木 タマホームもその一端を担うべく、取り組みを進めてまいります。本日はありがとうございました。

Corporate Profile
タマホーム株式会社
1998年設立。創業以来「より良いものをより安く提供することにより社会に奉仕する」との理念を掲げ、良質低価格住宅の販売に注力。2000年、福岡県筑後市久富にモデルハウス展示場をオープンして以降、九州を拠点に全国各地で支店を開設。2005年には東京本社を開設した。2013年3月東証一部上場。