禁断症状との闘いと、代替手段の発見

ただ、ゲームを封印してからの2週間は本当につらい“禁断症状”に。ゲームが頭にちらつき、集中力を失ったり、イライラしたり。届かない場所に封印されているゲームを、必死に取ろうとしたこともありました。

そこで、自分なりにゲームの代わりに勉強で疲れた脳を休める方法を検討したのです。

まずは、明確なルール化を行いました。50分勉強したら10分休憩、過去問1科目やったら動画1本といった具合です。タイマーを使ってキリの良いタイミングで終了して、ダラダラと続けないよう心がけました。

でも、どのように休憩すれば脳をリラックスさせられるか。

ある時、母がどこで入手したのか漫画本の『サザエさん』を手渡してくれました。え、サザエさん? 今の時代に昭和の漫画? 『SLAM DUNK』とか『ONE PIECE』とか他にも人気の漫画はたくさんあるし、ほのぼの系なら『ちびまる子ちゃん』もあるよ? 

たくさんの疑問符が頭に浮かびましたが、母の心の中にある「ゲーム離れ」の決意を貫いてほしいという思いや気遣いをむげにできず、ひとまず目を通すことに。すると……自分の中で信じられない現象が起きました。テレビでおなじみのアニメーションの原作は4コマ漫画でした。1話を数秒で読めて、クスリと笑える。休憩時間中に何話も読めて、不思議と高い満足度を感じられたんです。

書棚に収まる漫画『サザエさん』
撮影=プレジデントオンライン編集部

禁断症状まで出た3DSのポケモンゲームは不思議な生き物たちとともに冒険を進めていく、ロールプレーングゲーム(RPG)です。悪の組織とのバトルなど子供ものめりこむ刺激強めの展開。そこにハマっていた僕が、昭和時代の牧歌的な世界に没頭できるなんて……。受験という競争社会に生きる中で逆に、そういう平和な世界観がマッチしたのでしょうか。

今も印象に残っている話があります。東京オリンピック(1964年)が盛り上がっていた時代の家族の優先順位についての話です。

波平の体調が悪くて自ら「いっぺん医者に診てもらおうか」と家族に相談したものの、家族の反応はそっけない。でも、ブラウン管テレビの調子が悪くなると、東京オリンピックの開会式を見るために家族総出で大騒ぎして修理する。この家族の優先順位の違いに波平が立腹するという、いかにもサザエさんらしい騒動でした。

サザエとカツオが素麺の中のピンクや緑の色付き麺を巡ってちょっとした争いをする回も記憶に残っています。

もちろん、漫画だけでなく、親のスマホで一緒にお笑いの短い動画を見ることもありました。よく見たのは、サンドウィッチマンさんがM1決勝で披露したピザ宅配のネタや、陣内智則さんの「もしも」シリーズ、バカリズムさんの一人コントでした。