「1日30分まで」のルールが、むしろ逆効果だった理由

「ゲームは1日30分まで」

親子の話し合いで約束しました。しかし、これがかえって新たな問題を誘発しました。

30分だけやっていいという状況は、逆に強い誘惑になってしまいました。手に届くけれど我慢するって、完全に断絶するより自制心が必要で、小学生の僕には非常に難しいことでした。勉強中もゲームのことが頭にちらついて、全然集中できない。

そしてついに、約束を破ってしまいました。ゲーム機を置いている場所を知っていた僕は、こっそり取り出して教材の隙間に隠し、両親がいない間だけ遊んでいたんです。でも、いつもの場所にゲーム機がないことで、すぐに両親にバレました。約束を破ったことが発覚した時、両親が悲しそうな顔をしていたのを今でも覚えています。

家族会議で決断した「封印の儀式」

30分ルールの失敗で、もはや中途半端な対策では解決できないことが明らかになりました。自分でも「このままではいけない、どうにかしなければ」という気持ちが強くなっていたところで、家族でより根本的な解決策について話し合うことになったんです。

父は明るい表情で次のように声をかけてくれました。

「ゲームが楽しいというのは、わかるよ。ただ、その楽しい記憶っていうのは時間がたつと残らない。でも、勉強を頑張れば、それはあとに残る。大人になった時になりたい職業に就けるし、自由に使えるお金も増える……」

小学生ながら、この大人目線の新しい視点に「それはそうかも」とストンと腑に落ちました。それに、もし合格できたら、遠慮なくゲームをできる。そう前向きに考えられた。

当時すでに塾の仲の良い友達は受験の真剣モードに切り替わり始め、内心焦り始めたタイミングで、この父の言葉。おかげで「俺はゲーム離れをする」という決心が芽生えたのです。

両親のすすめで段ボールに志望校合格の目標を書き、ゲーム機を中に入れてガムテープでぐるぐる巻きにして、屋根裏部屋に隔離しました。「封印の儀式」です。これも親の無理やりではなく、自分も納得した上でできたのは、大きなポイントでした。

段ボールの底にガムテープを貼っている手元
写真=iStock.com/west
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