ハーバード大はトランプに対して妥協する?

――それはつまり、双方が互いに譲歩する可能性があるということでしょうか?

【佐藤】交渉の中で重要なのは、相手の「絶対に譲れない条件」を見極めること。逆にいえば、こちらにとっては、絶対に譲れない条件でも、相手にとっては「別に譲ってもいいかな」という条件であることも多々あるわけです。どれが絶対に譲れなくて、どれを譲ってもいいのか。これを双方、探りあい、交渉を続け、現在は、ようやく妥結の道が見えてきた段階だと思います。

トランプ大統領は「駆け引き型」で交渉をはじめていますが、現場で交渉している政権の担当者は、「原則立脚型」を使っている可能性が高いので、ウィンウィンの合意になるのではないでしょうか。

ユヴェントスサッカークラブのメンバーとの会談中に記者の質問に答えるドナルド・トランプ米大統領、2025年6月18日
写真提供=Pool/ABACA/共同通信イメージズ
ユヴェントスサッカークラブのメンバーとの会談中に記者の質問に答えるドナルド・トランプ米大統領、2025年6月18日

先ほども申し上げたとおり、ハーバード問題は、大きなニュースになった時点で、トランプ大統領としては目的の半分は達成しているわけですから、次は「素晴らしい内容で合意した」というニュースがまた大きく取り上げられればよいのです。

また、繰り返しになりますが、トランプ政権には、おそらく学生ビザ保持者の情報以外にも何かほしいものがあり、「ハーバード大学と1対1の交渉に持ち込めば、政権にとってメリットがある条件を引き出せる」と考えていると思います。

大学の教育理念である「真理」を表現している、ハーバード大学の旗
写真=iStock.com/Marcio Silva
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双方にとって全くメリットがないのは、長々と法廷闘争を続けること。ここは一致していると思いますので、この問題は早期に妥結するのではないでしょうか。