4観点で目標を描いてみる
この8個のスキルの中でも、もっとも重要なのは1番目のスキルである目的・目標設定、つまりゴールセッティングです。
ゴールの描き方は、図表2のように4観点で考えます。横軸は私と社会・他者、縦軸を有形と無形に分けて、それぞれ目的・目標を書き込みます。
例えば、大谷選手のような野球選手になりたい場合は、図表3のような4観点になるでしょう。
情報化社会以前の目標といえば、右上ばかりがフォーカスされていましたが、これからの時代は、この4観点で自分が目指していることを明確にして、特に「目的=なぜ目標を達成したいのか、という理由」を持つことが大切です。
ちなみに、今の大谷選手は「世界で一番愛される選手になる」という目的・目標を描いていると思います。
大事なことは、これら4観点で描いた目的・目標を、本当に達成できるのか、試練や挫折があったとしても、それを乗り越えてやれるのかということ。そのために必要なのが自信です。自信をセルフで供給していかなければならないのです。
自己肯定感と自己効力感の違い
自信とは先に触れたように、自己肯定感と自己効力感の2種類があります。
自己肯定感とは、「私は価値のある人間だ」「私は幸せな人生を送ることができる」といった自分の価値に対する確信。一方、自己効力感は「自分はやれる」「次の試合で必ず勝てる」といった自分の能力への確信です。教育やビジネスでは自己肯定感を高める話ばかりですが、メンタルを鍛えるには、自己肯定感と自己効力感の両方を鍛えていかないと、目標を達成することはできません。
これらを高めるには、どうしたらよいか。その方法は「映像化」と「言語化」の2つあります。
(1)映像化
例えば、サッカーチームであれば、過去に優勝したとか、大逆転をしたとか、頑張ったプレーばかりを映像にし、さらに気持ちを盛り上げる音楽もつけます。この映像と音楽にいつも触れていると、プレイヤーは自己肯定感と自己効力感が高まり、よい未来が描けるようになります。
(2)言語化
まず先の4観点を文字でしっかり書き、毎日目にしたり、何度も更新したりします。この他、「自画自賛」も効果的です。毎日できたこと、よかったことを文字で書くと自己効力感が高まり、感謝を感じた行動、感謝が高まった行動を書くと、自己肯定感が高まります。この二つの貯金を貯めていくのが、自画自賛のやり方です。
子供の自己効力感を自画自賛で高めておくと、本番で結果が出るのは間違いありませんが、それだけでなく、とてつもなく大きな限界突破の未来を描くメンタルをつくることができます。そういう意味で大谷選手は、とんでもなく自己効力感の高い選手です。
大谷選手はメンタルトレーニングを土台に、高校1年生のときに「目標達成シート」を書きました。高校球児の目標といえば、たいてい「甲子園出場」や「甲子園優勝」ですが、大谷選手は、それを飛び越えて「ドラ1・8球団(8球団からドラフトで1位指名をもらうこと)」と書きました。こんなぶっとんだ未来を平気で描けるのは、大谷選手の自己効力感が非常に高かったからに他なりません。
また、監督の引き出し方が上手いことや、大きな夢を描いても誰も馬鹿にしない、よいチーム状態、安心感のある雰囲気があったのだとも思います。どちらも大切な要素です。



